ある女性がウーバーイーツのアカウントをハッキングされ、登録していたクレジットカードからお金が引き落とされるという事件がスコットランドで発生した。注文した覚えのない6千円分ものケンタッキーフライドチキンの商品代金が引き落とされたのだ。
商品は犯人の住所と思われる場所に届けられており、怒りに震えた女性は犯人に復讐することを決意した。似た被害が世界中で多発しており、女性はクレジットカードの引き落としを確認するなどの注意を呼びかけている。『Daily Record』などが伝えた。

スコットランドのグラスゴーに暮らすエマ・クロンビーさん(Emma Crombie、35)は今月11日、ウーバーイーツのアカウントがハッキングされてしまった。

「朝目覚めたら、ウーバーイーツから『ご注文ありがとうございます』ってメールが届いていたの。そこには40.06ポンド(約6千円)分注文された商品が、300マイル(約480キロ)離れた英バーミンガムの住所に届けられると記載されていたわ。」

注文した覚えが無いにもかかわらずメールが届き、その金額はエマさんのクレジットカードから引き落とされていた。
そして確認するとケンタッキーフライドチキン(KFC)が注文履歴に残っていた。KFCで6千円分も注文すれば、かなり豪華な食事になるだろう。

エマさんは急いで運営会社に連絡し、返金に応じてもらうことができた。しかし犯人にはお咎めなしということに怒りが収まらなかったエマさんは、どうにかして復讐することを決意した。注文履歴には犯人がいると思われる届け先住所が残っており、これを活用することにしたのである。

エマさんは小さめの箱を用意して、そこに犬の糞を詰めて犯人に送り付けたのだ。
エマさんは犬を飼っていないが、近くに住む大型犬を飼ういとこに協力してもらったそうだ。翌日に届くように速達にして、追跡サービスも追加したため14ポンド(約2千円)の送料がかかったという。


エマさんはこの復讐の一部始終をFacebookで説明しており、「これは因果応報よ!」と記して配達完了のお知らせ画面を投稿した。この投稿にコメント欄は「面白すぎる。よくやった!」「最高な仕返しだ! 笑い過ぎて息ができないよ」「犯人の反応をぜひ見てみたいね」と笑いの声で溢れていた。

実はウーバーイーツのアカウントハッキング被害はここ数年、世界中で頻繁に発生している。


アメリカ在住の男性は仕事中にウーバーイーツのアプリから通知が止まないと思ったら、頼んでいない注文が自分のクレジットカードから引き落とされていたという。しかもオーストラリアで注文されており、金額もアメリカドルではなくオーストラリアドルで引き落とされていたというのだ。

またほとんどウーバーイーツを使っていなかったと話すカナダ在住の女性は、英語設定にもかかわらず中国語で注文完了の通知が届いた。女性はすぐに警察に通報したが、その間も注文が次々と行われてしまい、約300カナダドル(約26,000円)が引き落とされてしまったそうだ。

米オースティンを拠点に個人情報保護サービスを提供する会社に勤めるアダム・タイラーさん(Adam Tyler)は、アカウントのハッキングについて次のように見解を述べている。

「恐らくパスワードなどの情報は、ウーバーイーツから漏れているものではありません。
他のサービスで漏洩したフルネームやメールアドレス、パスワードなどの情報が一度でも犯人たちの手に渡ると、それをウーバーイーツのような他のサービスで使えるか試していくのです。盗まれた情報はオンラインのブラックマーケットで販売され、より多くの人の手に渡ります。」

アダムさんの話を聞けば、同じパスワードを複数のサービスで使い回すことの恐ろしさがよく分かる。

エマさんは「ウーバーイーツを利用している人は、ハッキングされてしまった時のことを考えて、クレジットカードの利用履歴や残高に注意しておいた方がいいです」と呼びかけた。

そして「今回は風変わりな方法で犯人に因果応報をもたらすことができました。もしお金が返ってこなかったとしても、面白かったので良かったと思います」とエマさんは続けており、今回の復讐に満足しているようだ。

画像は『Daily Record 2021年3月15日付「Raging Scot posts box of dog poo to Uber Eats hacker who used bank card for £40 takeaway」(Image: Submitted)』『Emma Crombie 2021年3月14日付Facebook「OK so after the scumbag who stole my card details from Uber eats and treated themselves to a feast..」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)