お笑いコンビ・鬼越トマホークは、些細なことで揉め始めたところに仲裁に入ってくれた人に向かって坂井良多が暴言を吐くという“ケンカ芸”が人気となり、あちこちのバラエティ番組から出演依頼がくるようになった。しかしどこに行ってもケンカ芸を求められるため、「いつまでやり続けるのか」「どうやってやめたら良いのか」という悩みも出てきたようだ。


“ケンカ芸”が生まれたのは、初めての単独ライブの3日前になっても新しいネタが1本もできておらず、些細なことで大喧嘩を始めたことだ。そんな鬼越トマホークを止めようと、仲裁に入った昆虫ネタが人気のインポッシブルに向かって「うるせえなぁ、巨大昆虫とお前ら戦ってろよ!」と先輩芸人への毒舌がきっかけだった。このエピソードを聞いた千原ジュニアが、「俺らがやってる『ざっくりハイタッチ』の企画で(暴言を吐くくだりを)やってみよう」と鬼越トマホークに持ちかけてくれたのだという。

この“ケンカ芸”で世に出た鬼越トマホークだが、もう7年もやっているので暴言を吐く相手は芸人やタレントだけでなく、文化人と呼ばれる芸能人以外の出演者にも仕掛けるように要求されることも出てきた。もちろん事前に暴言の内容について打ち合わせをするのだが、彼らのネタを初めて見た視聴者の反発を買うことも珍しくなかっただろう。実際に2019年12月の『スッキリ』(日本テレビ系)でコメンテーターの読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏が揉めている鬼越トマホークの仲裁に入った時、「お前誰だよっ!」と大きな声を出した坂井良多に対し「あまりにも失礼すぎんこのネタ? 五郎さんに対して」、「不快な笑いだなぁ」、「普通に初対面の人に、目上の人に失礼過ぎて、五郎さん可哀想」とツイッターが炎上してしまったことがあるのだ。


23日深夜放送の『ジンギス談!』(北海道放送)にゲスト出演した鬼越トマホークは、MCのタカアンドトシに「欧米か!」のネタをやめるタイミングについて尋ねていた。タカアンドトシはラストイヤーだった2004年の『M-1グランプリ』で4位に終わったが、翌年にこの「欧米か!」が誕生し一気にブレイクした。タカは「単純にウケなくなったから」と明かし、客が「ほぉ~」「出たな」といった冷めた反応を示すようになったからだと話す。そのうちバラエティ番組MCの仕事が多くなり、「欧米か!」は自然に出番がなくなっていったそうだ。


金ちゃんは「僕らはずっとこの状態で、人の手をずっと“噛む犬”みたいな感じ」と真顔で話しており、“ケンカ芸”だけではない鬼越トマホークを見てもらうきっかけを模索しているようである。黒ずくめの衣装もやめて、いっそ2人でオーバーオール姿で舞台に出てみようかと色々考えているらしい。
「自分らみたいな若手は、目立たなければ使ってもらえない」との覚悟で“ケンカ芸”を続けてきた鬼越トマホークだが、そろそろ次のステージへ進む時期を迎えているのかもしれない。

画像3枚目は『鬼越トマホーク 金ちゃん 2021年1月22日付Instagram「実は昔からどうしても出たい番組がありまして…」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 みやび)