インドのタミル・ナードゥ州カナムに住むプラブさん(Prabhu、38)は今月9日、1匹のサルが野犬の群れに襲われ、体を噛まれながら棘のある木の上に逃げ込むのを目にした。
小さなサルは木の上でぐったりとしており、プラブさんは野犬を追い払い、サルに水を与えたが反応がない。そこで友人と一緒にバイクに乗り、サルを近くの獣医のところに連れて行くことにした。
ところがサルの呼吸はどんどん弱くなるばかり。「このままでは病院まで持ちそうにない」と判断したプラブさんは、道路脇にバイクを停めるとサルに心肺蘇生法を施した。
当時の様子はカメラが捉えており、動画ではプラブさんがサルの胸を強く圧迫しているのが見て取れる。しかしサルが全く反応しないのを見たプラブさんは、サルの頭を後ろに反らせて気道を確保、サルの口から息を吹き込んだ。
プラブさんは人工呼吸を何度か繰り返すと再び胸骨を圧迫、サルはまるでプラブさんの必死の思いが通じたかのように息を吹き返した。サルはその後、病院でブドウ糖とワクチン接種を受けて回復し、プラブさんによって森林局のスタッフに手渡されている。
なおプラブさんが心肺蘇生法の講習を受けたのは2010年だったそうで、「まさかこんなふうにサルを助けることになるとは思わなかった。でもあの時は助けることだけを考えていたんだ」と明かすと、「サルに意識がないのを見た時は、とてもがっかりしてね。ただサルを森の中に置き去りにするのは嫌だった。タイミングよくサルを救うことができて本当に良かったよ」と笑顔を見せた。