米ユタ州を流れるコロラド川で6日、インフレータブルカヤック(空気注入式カヤック)が転覆し、乗っていた父子3人が激流の中に投げ出された。3人はたまたま近くにいた男性2人に助けられて九死に一生を得ており、父親が救出される直前の写真は同州ブランド郡保安官捜索救助隊のSNSでシェアされて注目された。
米ニュースメディア『People.com』などが伝えた。

事故が起きたのは、ユタ州ブランド郡モアブを流れるコロラド川上流の急流地帯で、インフレータブルカヤック(以下、カヤック)には父親(40)と一緒に8歳と10歳の息子2人が乗っていた。

川岸には当時、エリック・オーデンタールさん(Eric Odenthal)と友人のガー・ラウスマンさん(Gaar Lausman)がいて事故を目の当たりにしており、パドルボードを持参していたガーさんが直ちに川に飛び込んだ。

地元モアブの住民で、グランド郡保安官捜索救助隊(以下、GCSAR)の元隊員というガーさんは、救命胴衣を装着していた男児2人をパドルボードに引き上げることに成功。一方で救命胴衣のない父親は水面から顔を出しているのが精いっぱいで、ガーさんとエリックさんは流されていく男性をただ見ているしかなかったという。

しかしながらそこにタイミングよく、ジェットスキーで現れたのがダニエル・ライトさん(Daniel Wright)で、岸にいるガーさんの合図により激流にのまれて流されていく父親のことを知ったという。


モアブで生まれ育ったというダニエルさんはその日、暑かったので水遊びをしようとジェットスキーで上流に向かっていたそうで、エリックさんは当時のことを「まさに奇跡だと思った」と振り返る。

ところが現場は水位が高く、水が濁ってかなりの量のゴミが浮遊しており、ダニエルさんは水面下に沈みそうになっていた父親を当初、「流木だと思った」と明かす。そして父親の近くを旋回していたにもかかわらず、見つけることができずにいたところ、水面下の父親が最後の力を振り絞り、必死の思いで片手をあげたのだった。


この時の様子はエリックさんによってカメラに収められ、ダニエルさんはその後、濁った茶色の水から突き出たその手をしっかりと掴んで救出した。

実は父親は、救命胴衣を膝の上に置いていたそうで、カヤックが転覆した際に失くしてしまっていた。また、8歳の子の救命胴衣は腰に付けるタイプのもので、水に顔を付けた状態で流されていき、10歳の子の救命胴衣はサイズが大きすぎ、頭を水面から上に保つことができずにいたそうだ。


それでもガーさんとダニエルさんの素早い行動が実を結び、3人全員が無事だった。子供たちは震え、父親はしばらく動くことができずにいたそうだが、救急車の要請も断り帰宅したという。

なおダニエルさんはこの事故を受け、救命胴衣の適切な着用の重要性を呼びかけ、緊迫の救出劇についてはこのように語った。

「男性の頭は水面からほんの一部しか出ておらず、彼に近づいた後は2度ほど沈んで見えなくなって怖かった。あの時のことを考えると今でも感情的になってしまう。とにかく恐ろしかった。」

「でもきっと、神様が実にいいタイミングで、私をあの場に送ってくれたと思っているよ。」

そしてこのニュースには、「親子を救ってくれてありがとう。
あなたたちは真のヒーローだね」「エンジェルが守ってくれたんだ」「ほんの一瞬の気の緩みで事故は起きる。水の安全について真剣に考えるべき。これは冗談ではないぞ」「救命胴衣の着用を義務化すべき。命を救ってくれるから」「助かって良かったね」といったコメントが寄せられた。

ちなみに昨年12月には米バーモント州で、極寒の池に転落して浮いていた8歳女児を警察官が命がけで救出しており、ボディカメラの映像が公開されると反響を呼んだ



画像は『KSL News YouTube「Good Samaritan, witness recount Moab river rescue of father and two sons」』『Grand County Sheriff’s Search and Rescue Facebook「Saving lives sometimes comes down to being in the right place at the right time.」』『Inside Edition YouTube「8-Year-Old Girl Pulled From Near-Frozen Lake」、「Iron Worker Survives 150-Foot Fall From Bridge」』『LADbible 「Incredible moment rescuers spot missing hiker’s hand waving from under snow」(Featured Image Credit: SWNS/Mathieu Lambert)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)