ウィリアム皇太子が主導するホームレス救済プロジェクト「ホームワーズ(Homewards)」に焦点を当てたドキュメンタリー番組『Prince William: We Can End Homelessness』が、英ITVで30日と31日(以下、現地時間)に2部構成で放送される。
「ホームワーズ」は、ウィリアム皇太子がチャリティ財団「ロイヤル・ファウンデーション」を通じて2023年6月に立ち上げたプロジェクトで、野宿やソファ・サーフィン(無料で自宅ソファを寝床として提供する)、その他の一時的な宿泊施設の問題を解決することを目指している。
ドキュメンタリー番組は「ホームワーズ」の最初の一年間を追ったもので、ホームレス問題に直面する人々や、過去にホームレスを経験した人々のストーリーが紹介されている。
26日には番組の新たな予告編が公開され、幼い頃のウィリアム王子(以下、当時)が母ダイアナ妃とともに、ロンドンでホームレスを支援するチャリティ団体「The Passage」が運営するホームレスシェルター(一時緊急宿泊施設)を訪問した時の写真が披露された。
ウィリアム王子は11歳の誕生日を迎える7日前の1993年6月14日、ダイアナ妃に連れられてこの団体の施設を初めて訪れた。王子は母の活動に感銘を受けたことからホームレス問題の予防と終結に情熱を持ち始め、2019年には同団体のパトロンに就任した。
映像では、赤いポロシャツを着たウィリアム王子がホームレスの男性と熱心にチェスをしている姿や、スーツ姿の王子がダイアナ妃と共に施設の人々と交流している様子が映されている。
ウィリアム皇太子は、母親とホームレスシェルターを訪問した時の思い出を語り、長く疎遠になっているヘンリー王子の名前も口にした。
「母がハリーと私を『The Passage』に連れて行ってくれました。当時、私は11歳か10歳でした。それまで、あのような場所には行ったことがなかったから、どうなることかと少し不安でした。」
親子3人が施設に到着すると、ダイアナ妃はホームレスの人々に温かい言葉をかけ、雰囲気を和ませて楽しい交流を始めたという。
「母はいつも通り、みんなをリラックスさせてジョークを言う役割を務めていました。住む家がなかったら、誰もが本当に悲しい思いをするでしょう。しかし、そこは信じられないほど幸福な環境でした。意義ある会話やチェス、おしゃべりを楽しんだことを覚えています。」
そして、ホームレスの人々から経験談を聞いたウィリアム王子は、世の中には自分の知らない別の世界があることを初めて知った。
「その時、自分と同じような人生を送っていない人たちがいることに気付いたのです。幼い頃は、人生というものは目の前に見えるものしかないと思っている。他のものを見るという概念がないんです。」
「だから自分の頭の中に別の視点を入れてくれたり、『昨夜は路上生活だったよ』と言う人に会った時、『なんてことだ!』と驚くのです。当時の私がそうでした。」
同番組では、ホームレスの主な原因として、トラウマや家庭崩壊の影響を強調している。
ウィリアム皇太子は、14歳だった頃に父チャールズ皇太子(当時)と母ダイアナ妃が離婚し、その翌年に母が事故死するという悲劇に見舞われた。そのため、ホームレスになる前の人々が経験した苦しみに対しても、理解を深めていると考えられる。
今回の予告編では、ダイアナ妃が幼いウィリアム王子とヘンリー王子を連れて外出している様子が複数映し出されている。
現在、ウィリアム皇太子はヘンリー王子と疎遠だが、公の場で弟の名前を口にしたのは2018年にロイヤル・ファウンデーション・フォーラムでインタビューを受けて以来だと、英メディア『Daily Mail Online』が報じている。
画像は『The Prince and Princess of Wales Instagram「Watch ‘Prince William: We Can End Homelessness’ this coming Wednesday and Thursday,」』『The Passage Instagram「This Wednesday, The Passage will feature in a two-part @itv and @itvxofficial documentary following our Royal Patron, Prince William’s new initiative」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)