2016年4月の熊本地震のうち、「前震」とされる1回目の最大震度7の地震から14日で5年となりました。
地震により被災した交通網などは次第に復旧し、熊本城天守閣の内部の公開も今月26日から再開されます。
被災した交通網などの復旧進む
2016年の熊本地震では最大震度7の地震が2回発生しました。4月14日午後9時26分に発生したM(マグニチュード)6.5の「前震」では、熊本県益城町で震度7を観測。16日午前1時25分に発生したM7.3の「本震」では、益城町と西原村で震度7が観測されました。
それから5年。地震により被災した交通網は次第に復旧が進み、熊本と大分をつなぐJR豊肥線や国道57号が昨年復旧。
地震で被災した熊本城は、天守閣の復旧が完了し、今月26日から5年ぶりに天守閣内部の公開が再開されます。熊本城は、これまで天守閣の復旧を最優先で進めてきました。まだ被災したままの姿の建物や石垣なども多くあり、石垣の石をひとつずつ元の場所に積み直すなどの作業を行い、完全に復旧するのは2037年ごろとなる計画です。
有感地震の回数 次第に熊本地震前のレベルに
熊本県内で有感、つまり震度1以上が観測された地震の回数を見ると、熊本地震が発生した2016年には3812回にも達しました。
その後、有感地震の回数は、17年は265回、18年は126回と次第に減少。
今年は3月末までで21回となっています。このうち、3月14日には熊本地方を震源とするM4.4の地震が発生し、熊本市南区や宇土市、宇城市、美里町で震度4を観測しました。
自然災害へ普段からの備えを
熊本県内では、熊本地震の震源域から南西方向に水俣市沖の八代海までのびる日奈久断層帯について、M7クラスの地震を起こすおそれがあり、国内の主要な活断層の中で地震が発生する確率が高いグループのひとつに位置付けられています。
また、九州全体で見ると、福岡県の警固断層帯や福智山断層帯、長崎県の雲仙断層群も地震発生確率が高いグループに位置付けられています。
地震は突然やってきます。また、地震以外にも九州では大雨などの自然災害が毎年のように発生しています。
熊本地震から5年の今、あらためて自然災害への備えを見直しておきましょう。