今年は、沖縄や奄美、九州から東海は、梅雨入りが平年より早くなりました。5月の振り返りと、6月から8月にかけての見通しです。
今年の梅雨入りの発表 平年より早かった

気象庁は、沖縄や奄美は5月5日ごろ、九州南部は11日ごろ、九州北部、四国、中国は15日ごろ、近畿、東海は16日ごろ、梅雨入りしたとみられると発表しました。九州から東海では、平年より3週間程度早く、四国と近畿は、統計がある1951年以降、最も早い梅雨入りになりました。なお、梅雨入り・明けは、速報とは別に、春から夏にかけての実際の天候経過を考慮した検討を行い、9月はじめに確定します。
5月上旬は、南西諸島付近に、前線が停滞しました。5月中旬は、上空を流れる偏西風が、平年より北を流れるようになり、日本の南では、太平洋高気圧が平年より早く、西へ張り出しました。このため、前線が本州付近まで北上しました。平年より早い梅雨入りになったばかりか、九州や本州付近に、暖かく湿った空気が流れ込みやすく、梅雨の最盛期のような雨の降り方になりました。ただ、5月下旬は、偏西風は南へ下がり、前線は本州の南に停滞するようになりました。関東甲信や北陸、東北の梅雨入りの発表は、まだです。
5月 日照少なく5月として記録的な雨 沖縄は梅雨の中休み

5月1日から30日にかけての日照時間の合計は、奄美や九州から北海道で、平年の60%~80%くらいの所が多くなりました。名古屋市では、142.5時間で、5月に日照が200時間を下回るのは、2011年以来10年ぶりです。一方、沖縄では八重山地方で平年の150%を超えた所が多くなりました。
14日ごろから21日ごろにかけて、本州付近に停滞する前線や、前線上を進む低気圧に向かって、暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発になりました。
特に17日は、九州に発達した雨雲がかかり、熊本県山都町で1時間に90.5ミリの降水を観測しました(2010年の統計開始以来、5月として1位の値を更新)。20日から21日にかけては、九州、東海や長野県に発達した雨雲がかかり、佐賀県伊万里市で1時間に61.5ミリ、長崎県佐世保市で57.5ミリの降水を観測するなど、統計開始以来、5月の1位の値を更新した所がありました。21日の24時間降水量の最大値は、長野県御嶽山で290.0ミリ、熊本県水俣市247.5ミリを観測し、統計開始以来、5月の1位の値を更新しました。水俣市では、たった1日で、平年5月ひと月分の雨量187.2ミリを超えました。