最新の気象庁発表の「エルニーニョ監視速報」によりますと、夏にかけて「ラニーニャ現象」が続く可能性が高いと予測しています。過去ラニーニャ現象が発生した夏は記録的な豪雨や猛暑となった年がありました。
ラニーニャ現象 夏にかけて続く可能性が高い
気象庁が今月12日に発表した「エルニーニョ監視速報」によりますと、昨年秋からラニーニャ現象が続いており、今後、夏にかけてラニーニャ現象が続く可能性が高い(70%)と予測しています。
ラニーニャ現象とは
「ラニーニャ現象」とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象です。
太平洋赤道域では、貿易風と呼ばれる東風が吹いているため、通常、暖かい海水は西側のインドネシア付近に吹き寄せられる一方、東側の南米沖では、海の深い所から冷たい海水がわき上がっています。ただ、何らかの原因で東風が強まると、西側の暖かい海水が厚く蓄積するとともに、東側にわき上がる冷たい海水の勢いが強まり、南米沖の海面水温が通常より低くなるのです。
日本への影響は?

「ラニーニャ現象」は海で起こる現象ですが、発生すると大気にも影響を及ぼし、世界各地で気圧配置などがいつもとは違った状態になるといわれています。雨や雪の降りやすい場所や、風の吹き方、気温などが変わってきます。
「ラニーニャ現象」発生時の日本は、左上の図のように梅雨は西日本太平洋側で雨量が多い傾向です。また、夏(6月~8月)全体では沖縄・奄美で雨量が多くなる傾向にあります。
夏の平均気温は、統計的に有意な傾向はないものの、右上のグラフのように北日本や東日本、西日本では平年より低くなることは少なく、平年並みか高いことが多くなっているのが分かります。
※北日本(北海道・東北)・東日本(北陸・関東・東海)・西日本(近畿~九州)