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2日目は5時31分間富山発で氷見に行きました。

富山~高岡まではあいの風とやま鉄道の区間、高岡~氷見はJR氷見線になります。

初日の記事に書いた通り、富山~高岡まではJRの路線ではありませんから、本来なら「青春18きっぷ」は無効、きちんと所定の運賃を支払う必要があります。

しかし、18きっぷで通る方法もないわけではないのです。

青春18きっぷの特例区間

この区間はもともとJR北陸本線です。

整備新幹線と並行する在来線をJRが経営するのは二重の投資にあたることから、北陸新幹線金沢開業の際に経営分離が行われ、県などが出資する第三セクターで運営されていくことになりました。「あいの風とやま鉄道」「IRいしかわ鉄道」「えちごトキめき鉄道」など現代的な名前の鉄道事業者がバンバン生まれた理由はこれ。

結果、JRの路線ではない区間が生じてしまい、私鉄を乗り継ぐ時と同じように運賃を支払わなければならなくなりました。18きっぷ旅行者にとってこれは手痛い。

しかしJR側もその辺の事情を考慮していないわけではなくて、特例として「他社線の駅で降りなければ18きっぷでも乗れますよ」という区間を設けています。

今回乗った富山~高岡間もその例外の一つ。18きっぷで富山から乗車し呉羽、小杉、越中大門で降りさえしなければ、高岡でJR氷見線に乗り換えて氷見に行ける。これを利用します。

寒ブリで完全勝利しよう

【随時更新】青春と無縁でも18きっぷで旅をしたい 2019冬帰省編(2)氷見寒ブリを朝食に

氷見に行く理由はやはり何と言っても寒ブリ。冬の氷見で獲れる寒ブリは脂が乗って美味いのです。もちろん他の魚も美味ですし、氷見うどんのような名物もありますが、寒ブリを外すという選択肢はありません。

『氷見漁港2F 魚市場食堂』開店時間は朝の6時30分~15時。富山始発の氷見着が6時30分頃。駅から漁港まで徒歩で15分ほど。18きっぷの旅で飯のために何十分も並ぶのは難しいので、差し込むならやはりこの時間帯がベストでしょう。

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刺身定食は漁師汁がついて2,750円(税込)。氷見の寒ブリは魚の脂の美味さのなんたるかを教えてくれる逸品です。

醤油に負けないとろっとろの刺身が舌に溶けていきます。骨の間から旨味たっぷりの身を削ぎながら飲む漁師汁も信じがたいほど美味い。漁港に地元の名物を食いに行くの完全に観光客ムーブでちょっとダサいなって気持ちもあったんですけど、今はもう朝イチで完全勝利を決めてしまった気分です。

ちなみに氷見線は以前コラムでも取り上げた柴田よしきさんの鉄道ミステリ『鉄道旅ミステリ(1)夢より短い旅の果て』の舞台の一つ。海沿いの景色がとても綺麗な路線なのですが、今日はあいにくの雨模様でいまいち楽しめず。晴れの日にまた来たいものです。

城端駅舎は2019年3月改修

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8時22分氷見発で城端へ向かいます。途中高岡で城端線に乗り換えて9時53分着。終点に近付くと飛騨山脈がその雄大な姿を見せてくれました。

城端はアニメファン的には『P.A.WORKS』という制作会社の最寄駅という認識です。自分もあまり詳しくはありませんが、かつて放映された『サクラクエスト』というアニメでは城端駅や城端線の姿が克明に描写されているとか。なお、城端駅舎は氷見線・城端線の前身である中越鉄道の駅として1897年に開業した木造の駅舎として知られていますが、2019年3月に南砺市主導で駅舎と駅前広場が改修されています。

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城端にはキハ40形のハットリくんラッピング車両がいました。

藤子不二雄A氏は氷見出身、ということで平成16年3月から氷見線・城端線でラッピング車両が走っているのです。マンガのラッピングといえば境港でも鬼太郎列車が走っていますが、あれもキハ40形でしたね。

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氷見と同じように城端でも「べるもんた」の案内がありました。「べるもんた」は城端線・氷見線直通の観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」の愛称。事前に予約しておくと車内で美味しい氷見の寿司をいただけます。

上手く時間を作って乗りたいなと常々思ってはいるのですが、平日には運行していないので今回は見送り。

ハットリくん列車に乗って帰ることにしました。城端線は学生の多い路線ですが、年末ということもあり年齢層はバラバラでした。

高岡~津幡は特例区間ではない

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高岡に戻ったので七尾に向かいます。特に大それた目的があるわけではなく、単にのと鉄道に乗ってみて、余裕があればついでに美味しいご飯を食べようという魂胆でした。早速高岡から津幡へ向かい、津幡で七尾線に乗り換えて、七尾からのと鉄道で穴水を目指します。

さて、富山から高岡は特例区間でしたが、高岡から津幡はどうでしょうか? こちらは残念ながらそのような特例は認められていません。一度高岡で改札を出て高岡~津幡間の切符を買い、金沢行きに乗ります。今回の旅で18きっぷ以外の支払いをするのはこことのと鉄道のみです。

金沢行きの列車は東京の朝ラッシュをちょっと過ぎた程度の混み具合でした。あいの風とやま鉄道は2020年3月14日にダイヤ改正を行い、通勤通学時間帯の混雑緩和のため増車すると発表していますが、確かになんらかの対策は必要だなと感じる程度の混み具合です。

七尾線

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そうこうしている内に津幡へ到着。一旦改札を出て七尾行きに乗り換えます。

七尾線といえば2020年秋頃から521系を導入し413系、415系を置き換えるという話がありました。この車両もそう遠くない内に引退するのだな、と思いながら乗るのは初めてのことです。

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津幡から中津幡へ向かう途中で一つ珍しいことが起こりました。アナウンスが入り、車内照明が20秒ほど落ちたのです。

七尾線は直流電化、旧北陸本線が交流電化。回路を切り替えるために電気の流れていない区間、いわゆるデッドセクションを作っているのですね。でも乗客は誰一人驚きませんでした。慣れてるんでしょうね。

のと鉄道の車窓から七尾湾を眺める

特にこれといったハプニングもなく、列車は七尾へ。七尾線の終点は隣の和倉温泉駅ですが、七尾~和倉温泉はJRとのと鉄道の共用区間となっています。

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のと鉄道のNT200形気動車から外を眺めていると、笠師保のあたりから七尾湾が見えてきました。例によって雨のせいであまり綺麗ではありません。夕焼けを海面に留める七尾湾はきっと郷愁を誘うだろうに、悪いタイミングで来てしまったものだと思います。

能登中島では『花咲くいろは』のラッピング車両とすれ違いました。アニメを制作したのは前述のP.A.WORKS。もうとっくにラッピング期間も終わったと思っていたんですが、まだ続いていたのがちょっと意外。

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終着駅となる穴水にはNT300形やNT800形が。

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穴水では冬の期間限定で牡蠣炭火焼き店「あつあつ亭」を営業しており、お安い値段で濃厚な能登牡蠣が楽しめます。2020年の営業予定は1月11日(土)~3月15日(日)の土日祝日(10:30~15:00)。跨線橋にはそのために使うのであろう机や椅子が積まれていました。今回は天気もあまり良くなかったことですし、なんとしても開催期間中にリベンジしたいものです。

さて。穴水で少し腹ごしらえをして、今度は敦賀へ向かいます。特に大きなハプニングもなければ今日の更新はここでおしまい。続きはまた明日。

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記事/写真:一橋正浩