タイ政府は、娯楽目的の大麻使用を解禁した前政権の政策を転換し、大麻を規制対象のカテゴリー5「麻薬」へ再分類することを決定した。セター・タビシン首相は、年内の法令改正と施行を保健省に指示。
公共放送PBSの報道によると、セター・タビシン首相は8日、保健省と法務省、内務省、国家安全保障機関など、違法麻薬の取り締まりに関わる機関と対策会議を開催。セター首相は、大麻をカテゴリー5に再分類するよう保健省に指示した。同省は、年内の法令改正と施行を目指す。
またセター首相は、現行法では覚醒剤の所持について錠剤数が規定されておらず、被疑者の公判の際、個人消費の薬物使用者か、密売目的の麻薬売人かを判別できない状況だと指摘。混乱を解消するため、覚醒剤を1錠所有する場合は個人消費目的、2錠以上は密売目的の所持とみなすよう法改正する。
大麻に関する方針転換は、政府の連立パートナーの1つであるタイ誇り党に打撃となる。同党はプラユット前政権時代、大麻の合法化を看板政策として推進。大麻の広範囲な栽培と、大麻を扱う小売店の増加につながった。