
今夏レアルがインテルへと放出したハキミ photo/Getty Images
結果論とわかっていても後悔は残る
レアル・マドリードは今夏移籍市場における動き方を間違えたのか。昨今スペインではそんな話題がしばしば上がっている。
先日は地元紙『MARCA』も「今夏彼らは選択を誤ってしまったのかもしれない」と白い巨人の補強戦略について疑問を投げかけた。その大きな理由となっているのが、将来有望な若手をみすみす他クラブへ放出したという点だ。
その代表格が昨季まで2シーズンに渡りドルトムントへ貸し出し、同クラブでブレイクを果たしたモロッコ代表DFアクラフ・ハキミ。いくらダニエル・カルバハルという絶対的な右サイドバックがいるとはいえ、レアルは驚くほどあっさりとこの若者をインテルに完全移籍で放出。ブンデスでもトップクラスの評価を得ていたSBを、1度も自軍で試すことなく手放したのだ。
その結果、今のレアルはハキミの放出を後悔することになっているとスペイン『AS』も主張する。現在、彼らは右サイドバックを本職とするカルバハルとアルバロ・オドリオソラがいずれも負傷離脱中。彼らが不在の間は左サイドバックを本職とするフェルランド・メンディや、普段は前線でプレイするルーカス・バスケスを代役に立てている状況だ。ハキミがいればここまで台所事情は苦しくならなかった。同メディアはそのように訴えている。
もちろん、あくまでこれはレアルが現在のような状況に陥っているからこその意見だ。カルバハルが絶対的な存在であるだけに、ハキミをベンチで腐らせておくのはもったいない。加えて、そういった境遇の選手に移籍金4000万ユーロものオファーが届いたとあっては、売却という結論に至るのも無理はないだろう。しかし、結果的にカルバハルらの離脱でレアルが苦しんでいるのは事実。今夏は補強選手もいなかっただけに、白い巨人は決断を焦らずとも良かったか。
ハキミの放出によって、右サイドバックのチョイスに悩まされることとなっているレアル。次戦の相手は奇しくもハキミが所属するインテルだが、はたしてジネディーヌ・ジダン監督は新天地で躍動するモロッコ代表DFを見て何を思うのか。これでハキミが大活躍となれば、この議論はさらに白熱したものとなるかもしれない。