
スポーツと信仰をやりくりすることが、オンス・ジャバー(チュニジア)が全仏オープンで夢のスタートを切る助けとなった。
初のロラン・ギャロス(全仏)のシングルス本戦をプレーしているジャバーは、水曜日に第6シードのドミニカ・チブルコバ(スロバキア)をストレートで下し、キャリア初のグランドスラム大会3回戦に進出した。
チュニジア人である彼女はイスラム教徒だが、先の金曜日に始まり、6月24日に終わるラマダンの間(約1ヵ月、日中の飲食を断ち、神の恵みに感謝する、イスラム教徒の義務のひとつ)、大会中は絶食を行わない。
ジャバーは反対に、大会後に罪滅ぼしを行う、ある種のクレジット(執行猶予)システムを使うと言った。
「ラマダンについて考えるのは難しいわ」と、ジャバー。「私は食べても飲んでもいけないのだけれど、それを30日連続で行うことはできない。でも次のラマダン前に間違いなくやらなくてはいけないの」
22歳のジャバーは、全仏が始まる前には、グランドスラム大会でたった2試合をプレーしたことがあるだけで、ほかの選手が棄権したためのラッキールーザーとして全仏出場権を得たにすぎなかった。しかし彼女は、このチャンスに怖気づきはしなかった。
ジャバーはチブルコバに6-4 6-3で勝ち、グランドスラム大会の3回戦に進出した初のアラブ人女性となった。彼女はまた、ロラン・ギャロスでそれをやってのけた20年ぶりのラッキールーザーでもある。