
「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月10日~17日/室内ハードコート)の大会6日目、男子シングルスのグループ「アンドレ・アガシ」第3戦で、世界1位のラファエル・ナダル(スペイン)が世界6位のステファノス・チチパス(ギリシャ)と対戦。息の詰まる接戦の中、驚異のランニングショットでチャンスを引き寄せたナダルが6(4)-7、6-4、7-5の逆転で勝利した。試合時間は2時間52分。
ナダルはこの試合、過去4勝1敗のチチパスとお互い譲らない接戦の中、1本のランニングショットでチャンスを引き寄せ、決勝トーナメント進出に望みを繋いだ。
その重要なシーンは第3セット、ゲームカウント5-5、30-30からのポイント。チチパスのワイドサーブで外に追い出されたナダル。チチパスは3球目で、もちろんナダルから遠い方向へショットを放つ。決まったかに見えたが、ナダルは全速力で走ると、ギリギリのところでフォアハンドで振り抜き、ボールはサイドライン上に突き刺さった。この想定外のショットにチチパスは準備することができず、見送る他なかった。
ナダルはこれで得たブレークポイントはしのがれてしまったが、デュースから再度チャンスを作ると、ブレークに成功。ここでポイントを取っておかないとチチパスにキープされ、更に試合はもつれていただけに、勝負を分けたスーパーショットとなった。
Tennis TVの公式Twitterではこのショットの様子を投稿しており、ユーザーからは「この試合には3試合分のハイライトの価値がある」「なんて試合だ」といったコメントが寄せられている。