ルドルフグライナーです。日本とドイツの文化の違いを研究しています。
2000年に売春が合法化されたオランダの首都アムステルダムにおいて、いわゆる赤線地帯である「飾り窓地区」を再現した「売春博物館」が、今年2月6日にオープンしたことで話題になっています。
「売春博物館」では、実際の売春宿と同様の「飾り窓」や、その部屋の中の状態を再現。そこで働く女性たちの実態がそのまま展示されており、同時に「売春街」の歴史や、政府がなぜ合法化したのかということを学ぶことができます。
さて、日本の文化には「売る」「買う」という感覚があり、「買う=自由にしても構わない」と考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、オランダの売春婦を見て驚くのは、彼女たちが自立しており、またプライドがあり、ほかの労働者と同じように労働組合があるだけでなく、失業手当もあり、しっかりとした「労働者」であるということです。
■日本の「遊廓」が世界に与えた影響とは?
そこで、日本に興味がある私は、日本の「売春」について調べました。日本には、昔「遊廓」というものがありましたね。「遊廓」の「廓」という字は、もともと城郭の「廓」と同じで、城の中の一部という意味があり、「城に住める」女性たちということでした。
プライドも非常に高く、お金を積んでも品のない客などは拒否したといいます。「お客様は神様です」という感じではなく、女性が「遊んであげる」という感覚のほうが近いですね。