日本の政治の中枢は、ある1つの村の出身者に牛耳られているのではないか?

 筆者がそんな思いを抱くようになったのは、在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)中央本部(東京都千代田区)の土地・建物の競売における第1回の入札で鹿児島県鹿児島市にある最福寺の池口恵観法主が45億円余りで落札した時からだ。

 なぜ、鹿児島の寺の法主が落札するのか? という単純な疑問からこの池口恵観なる人物を追っていくと、北朝鮮人脈、暴力団関係者との親密な交際を含むさまざまな事実が判明。

しかし、何よりも筆者を驚かせたのは、その先にある事実だった。池口恵観の本名に隠された謎、さらには、とある土地にまつわる謎へと波及していくのであった。


■池口恵観と小泉純一郎を結ぶ「北朝鮮」と「鮫島」

 池口恵観という名前は法名であり、本名は「鮫島正純」だ。そして、この名前に非常によく似た人物が存在するのだ。それは、後に拉致問題の解決に大きく関わる人物の実の父親。そう、総理大臣として北朝鮮を訪問し、拉致被害者を連れ帰った小泉純一郎元総理、の父親なのである。名前は小泉純也だが、小泉家に婿養子として入る前の名前は「鮫島純也」だった。

 同じ「鮫島」姓で、名も「正純」と「純也」。一方は朝鮮総連本部の落札者で、一方は北朝鮮から拉致被害者を奪還した立役者。「姓」「名」「北朝鮮」...。偶然にしては、あまりにも共通点が多すぎではないか? 

 そして、彼らの出身地を調べているうちに、1つの村の名前が浮かび上がってきた。それが、"田布施(たぶせ)"である。

■"田布施"優秀な人材を輩出する村

 "田布施"というのは、かつて朝鮮半島から日本に渡ってきた朝鮮人によって形成された村の名前であり、現在の山口県と、鹿児島県(現在は別の名称)の両県に位置する。この人口いくばくもない村から現在多くの政治家を輩出しているのも、これまた事実なのだ。

 勘のいい読者諸氏ならもうおわかりだろうが、山口県と鹿児島県は徳川幕藩体制時代に同盟を組んだ長州藩と薩摩藩である。言い換えれば、朝鮮人の村である"田布施"に明治維新の原動力があったというわけだ。

 維新で活躍した代表格、坂本龍馬は武士の出自であるが、武士の中でも下層階級である"郷士"で、土佐藩では足軽よりは少しだけ格上程度の身分だった。

 同様に、維新の立役者であった志士たちは、"郷士"であったり、貧しい商人や百姓の出であった。つまり、徳川幕藩体制を崩壊させることは、自らの藩における身分制度も崩壊させることにつながり、それが多くの志士を生んだわけだ。となれば、当時、最も格下の階層が集まっていたであろう"田布施"から多くの賛同者が集まり、維新の志士に身を投じたであろうことは想像に難くない。


■元総理大臣2人を輩出した

 そして、明治維新後、多くの志士が、明治政府の重要なポストに就くことになる。その中には、"田布施"出身者が多く含まれていたのだ。実際に、山口県の"田布施"からは、岸信介と佐藤栄作という2人の総理大臣を生み出している。

 さらに、現在の政治の中核を担っている多くの政治家には、この岸、佐藤の流れを汲むもの(例えば、現在の安倍晋三総理のように)も多く、事実上の日本の政治を動かしていると言っても過言ではないだろう。

 2014年3月20日、東京地裁民事執行センターは、朝鮮総連本部ビルの競売で不動産投資業「マルナカホールディングス」(高松市)が22億円余りで落札したと発表した。この「マルナカホールディングス」は、四国のスーパーマーケット「マルナカ」の関係会社であり、「マルナカ」はイオングループの傘下にある。民主党最高顧問である岡田克也氏は、イオンの岡田元也社長の実弟である。今度の朝鮮総連本部ビルの入札にも、何か一枚噛んでいるのではなかろうか。現在、調べを進めている。
(文=鷲尾香一)

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