
――刑事手続きと冤罪に詳しい、ごとうさときが、世間を騒がせたアノ事件について語る!
歌手のASKA被告と共に覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕・起訴された栩内(とちない)香澄美被告の初公判が、7月22日に東京地裁で開かれた。薬物犯罪の場合、検査による"動かぬ証拠"が出ているため、大抵の被告人は罪を認めて反省の意思を示し、少しでも量刑を軽くしようとするものだが、この栩内被告は違った。なんと全面的に無罪を主張したのだ。
■驚きの主張の詳細
覚せい剤を使用した場合、尿にはおよそ1週間、頭髪には半年程度、薬物反応が残ると言われている。栩内被告の場合も、捜査段階の尿検査および毛髪検査によって、覚せい剤の使用を裏付ける陽性反応が出ているのである。ところが栩内被告は法廷で、「それは捜査側の検査ミスだ」と反論した。
さらに検査ミスに陥った原因として、尿検査に関しては「ASKA被告の体液(精液)が膣内に残っていて、それが尿に混じった」とし、毛髪検査の陽性反応に関しては「ASKA被告は汗かきで、彼の汗が頭髪についた。検査はシャワーも浴びさせてもらえない中で行われたので、検出された覚せい剤は彼のものだ」との主張を繰り広げた。
無罪を主張するために、「避妊をしていない」など自分の性生活の内情まで暴露する栩内被告の度胸は大したものだが、「本当に精液から薬物反応が出るのか?」と、栩内被告の主張に疑問を投げかける専門家もいる。