遺伝子解析が解き明かす人間型UMAの正体!! ~ロシアの女UMA「ザナ」の謎~

遺伝子解析が解き明かす人間型UMAの正体!! ~ロシアの女UMA「ザナ」の謎~
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――超能力、心霊現象、UFO、など、いわゆる「超常現象」分野に深い造詣を持つオカルト研究家・羽仁礼が解説!

【そのほかUMA画像は、コチラ→http://tocana.jp/2014/08/post_4666.html】

「雪男」とは、ヒマラヤに住むといわれている、人型で全身が毛に覆われた猿人のような生物を指す言葉だ。一般に「イエティ」という呼び名で知られているが、地方や種類によって「ラクシ・ボンボ」、「リミ」、「ニャルモト」などと呼ばれることもある。しかしこのような謎の生物の目撃談は、ヒマラヤのみならず世界中から寄せられている。

 呼び方は様々だ。北アメリカでは「サスカッチ」あるいは「ビッグフット」。オーストラリアでは「ヤウィ」(日本では「ヨーウィ」と記されることが多いが、現地の発音は「ヤウィ」が近い)。ロシアでは「アルマス」あるいは「チュチュナー」。さらに中国では「野人」や「大脚怪」。マレーシアでは「オラン・ペンデク」。アフリカでは「アゴグウェ」や「キコンバ」......など。ここ日本でも1970年代に、「ヒバゴン」と呼ばれるサルのような怪獣が何度も目撃されたことがある。

■「人間型UMA」研究の最先端とは

 このような人間型UMAについては、イギリスのリチャード・フリーマン、オーストラリアのレックス・ギルロイなど多くの研究家が正体解明に挑んでおり、サルやヒヒを誤認したもの、何らかの事情で人里離れて住んでいる人間とする説の他、ネアンデルタール人やギガントピテクスなどの化石人類の生き残りであるとする説、さらにはUFOとの関連を指摘するものなど、諸説入り乱れてきた経緯がある。

 しかし近年、このような状況に変化の兆しが見られる。DNA解析を用いたUMA研究に取り組む研究家たちが現れ始めたのだ。例えばアメリカの獣医師メルバ・ケッチャムは、ビッグフットの遺伝子解析を行い、それが人類であるとの結論に達している。また2003年にはヨーロッパに残るコビトゾウ(未知の小型ゾウ)の標本9体の遺伝子解析がなされ、それらはすべてマルミミゾウ(アフリカゾウの一種)であったことが判明、世界を驚かせた。

 このように科学の力をもって謎に挑むUMA研究家の中でも特に高名な存在が、世界的な遺伝学者として知られているイギリスのブライアン・サイクス教授である。サイクス教授は昨年末、イエティのものとされる体毛を遺伝子解析した結果、その正体は古代ホッキョクグマであるという驚くべき結論に達した。実際、2003年には、ヒマラヤ山麓のチベットでホッキョクグマが目撃されたという報告もある。日本人登山家の根深誠は、イエティの正体はクマであるとの説を以前から唱えてきたが、それが証明された形だ。

■UMA界に波紋を呼んだ、女UMA「ザナ」

 さて、ロシアの人間型UMAである「アルマス」についても、遺伝子解析が行われている。解析に取り組んだのは、またしても前述のブライアン・サイクス教授だ。

 2008年、イギリスのリチャード・フリーマンらがロシアの研究家と合同でアルマス捜索を行った際、サンプルが得られた場合には、サイクス教授がDNA解析を行うことになっていた。残念ながらこの時は、アルマスの体毛など、遺伝子解析に必要な資料は得られなかったが、捜索隊はアルマスについて重要な手がかりをつかんでいた。実は19世紀に、ある村で女性のアルマスが捕らえられ、人間の男性との間に子を残していたことが判明したのだ。

 アルマスが捕獲されたという報告は他にも何件かあるが、この女性のアルマスは1850年頃、黒海沿岸のカフカス地方にあるトヒーナ村で村人に捕らえられていた。身長は2メートル近くもあり、体格は良く、力は強かったようだ。また、全身が毛に覆われており、馬よりも速く走るなど驚異的な身体能力を持っていたとされる。

 最初は凶暴だったが次第に穏やかになった女性アルマスは、やがて「ザナ」と名付けられ、簡単な家事手伝いもこなすようになる。そして少なくとも2人の村人と性的関係を持ち、何人かの子を産んだが、子どもたちは変哲のない人間であった。4人の子どもは成長し、普通の村人として暮らし、現在もその子孫が生き延びている。

 そこに目をつけたサイクス教授は、ザナの子孫たちのDNA解析に取り組んだ。さらに彼は、現在まで保存されていた、ザナの息子・クウィトの頭蓋骨も検査した。そしてその結果は、思いもよらぬものだった。なんとザナは、完全な現生人類、それもサハラ砂漠以南のアフリカ黒人であることが判明したのだ!

■この謎をどう説明したらよいのか?

 さて、ここでいくつかの疑問が生じてくる。ザナの正体がアフリカの黒人であったとすれば、どのような事情でロシア南部まで流れ着いたというのだろう。また村人からアルマスと信じられていたザナは、証言によれば全身が毛で覆われており、冬でも衣服を身につけていなかったとされる。これが事実であるとすれば、ザナの身体には何が起きていたのだろうか。
 これに対する一つの解答として、ザナが過剰異所発毛症であったと考えることができる。過剰異所発毛症は一種の先天的疾患で、ひどい場合には全身が毛で覆われることがある。よく知られているのは、ロシア支配下のポーランドで生まれたステファン・ビブロスキーの例だ。ビブロスキーは生まれた時から全身毛だらけで、そのためドイツの興行主に売り飛ばされ、ステージの見世物として生きた。ザナも似たような症例であった可能性がある。だとすれば、アフリカで生まれながら、ロシア南方の山地に住んでいたことも説明できるだろう。

 ザナが生きた当時、北アフリカからカフカス地方までは、オスマン帝国の所領であった。アフリカの某所で生まれた毛むくじゃらの女児がオスマン帝国で見世物に売られ、各地を転々としてカフカス地方にやってきたということは充分考えられるだろう。怪力や高度の身体能力は、この過程で受けた訓練の賜であるとも推定できる。そして1828年には第四次ロシア・トルコ戦争が発生し、国境であったカフカス地方は主戦場となっている。カフカスで戦乱に巻き込まれ、山に逃げたザナが何とか一人で生き延びていたところを、村人にアルマスとして捕らえられた可能性もあるのではないか。あるいはザナは、単に戦火に巻き込まれた黒人奴隷だったのかもしれない。そうすると異生物を思わせる身体的特徴は、アルマス伝説と結び付けられた後代の創作ということになるだろう。

 もっともこれらはあくまでも推定にすぎず、今やザナの波乱の生涯を正確に知る術は失われてしまっている。たとえ科学の力で「人間型UMA」の正体が次々に解き明かされようとも、そこにはさらにドラマチックな謎が待ち受けているということがお分かりいただけるだろう。
(文=羽仁礼)

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