変態殺人鬼と呼ばれた希代のモンスター、宮崎勤! マスコミの恣意的なアノ演出とは?

変態殺人鬼と呼ばれた希代のモンスター、宮崎勤! マスコミの恣意的なアノ演出とは?

~事件記者が綴る暗黒のアナザーストーリー~

【宮崎勤と演出】

 1980年代後半から90年代初頭にかけて思春期を迎えた世代に強烈なトラウマを刻みつけた事件がある。

 1988年8月~89年6月にかけて、東京都北西部と埼玉県南西部で発生した連続幼女誘拐殺人事件。警察庁によって「広域重要指定117号事件」に指定された凶悪事件の容疑者として逮捕された男、宮崎勤の鬼畜ぶりに列島は騒然となった。

 幼女の遺体を陵辱し、遺体の一部を食べる――。

 メディアの前に現れた時の姿も恐怖心を煽った。伸びっぱなしの長髪に輝きを失った目。全身から漂う虚無感が、得体の知れない不気味な印象を与えた。

 そして、もうひとつ。カメラに映し出された宮崎の"聖域"が、「モンスター」としてのイメージを増幅させた。

 西多摩郡五日市町(現・あきる野市)にあった宮崎の住み家だ。

「宮崎の部屋は、父親が経営する地元の新聞社と実家の敷地内にあった。宮崎が逮捕されてすぐにマスコミが殺到。警察の現場検証が行われる前にカメラマンやテレビクルーが入り込んだことで、あの有名な『ビデオの部屋』の画が一気に広まることになった」(当時を知る新聞社デスク)

 うず高く積まれたビデオテープに囲まれた異様な空間。テープの総数は6,000本以上にも及んだという。その多くはアニメや特撮もののテレビ番組を録画したものだったが、一部に猟奇的なホラー映画や美少女アニメなども混じっていた。

「マスコミは、残虐な犯行のイメージに結びつきそうな、そうした作品の内容を強調して報じた。宮崎のコレクションの中にあったホラー映画『ギニーピッグ』シリーズはその後、廃盤に追い込まれている」(捜査関係者)

 マスコミが大挙して宮崎の部屋に群がった時、恣意的な"演出"も行われていた。

 当時、現場に駆け付けたカメラマンの1人は、こう振り返る。

「ビデオで埋め尽くされた部屋は、それだけで十分異様だった。だけど、アイツのしでかしたことに比べると、少しインパクトに欠けた。何せ、小さい女の子を何人も誘拐して殺したんだから。だから、『変態殺人鬼の部屋』っぽく見せるちょっとした"画作り"をしたのさ」

 部屋には若い独身男性の独り暮らしにはありがちなアイテムもあった。

 寂しい独り身を紛らわせるために必要だったもの...いわゆる「エロ本」だ。

「グラビア誌の『スコラ』に、成年向け漫画雑誌が数冊。それらが判別できるように配置して写真を撮った。テレビクルーも並べたエロ本のタイトルをひとつひとつ映して放送していた」

 なかでも見る物に強い印象を与えたのが、「若奥様のナマ下着」という成年向け漫画だった。

 タイトルを見れば一発で"それ"とわかる作品は、宮崎への「卑劣な性犯罪者」という印象作りに一役買った。

 先のカメラマンは、「ただ、よく考えてみると、あの漫画は、宮崎の犯行が示すロリコンという性的嗜好とはそぐわないものではあった。でも、そんなことは関係なかった。世間は何でもいいから、宮崎が『変態殺人鬼』である証拠が欲しかったんだ。オレたちはその世間の声に答える素材を提供したまでさ」と語った。

 社会を震撼させた希代の「モンスター」は、作り上げられた「モンスター」としてのイメージのまま、2008年6月に死刑が執行され、鬼籍に入った。45年の生涯の中で、その実像を真に理解する者はついに現ることがなかった。
(文=KYAN岬)

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