「これからはバッタが美味しい季節です」虫食いの前に知っておきたい5つのルール

「これからはバッタが美味しい季節です」虫食いの前に知っておきたい5つのルール

 下級生の口にダンゴムシを入れるなどの暴行が野球部内で発覚し、大会への出場を辞退。とある芸人の元恋人は「ゴキブリやイモムシを無理やり食べせられた」と告白。度々こんな"虫を使った嫌がらせ"のニュースが報じられる。加害者は、「ちょっと悪乗りしちゃった(テヘ)」くらいのつもりなのかもしれないが、これらは「強要罪」という立派な犯罪であるし、健康を害する可能性だって、もちろんある。

 さて、このように「ノリでやってみた」行動がトラブルを招くのは、日本における昆虫食においても少なくない。昨今、昆虫食が話題にのぼる件数が増え、興味を持つ人の数も急上昇。

 それだけに「まとめサイト」や「バイラルメディア」にもコピペ記事が流れ出し、出典元のよく分からない、適当な情報が蔓延しつつある。しかし、昆虫食についての情報はまだまだ行きわたっていないため、『ゴキブリを食べたらお腹の中で卵がかえって死んだ人がいる』なんて都市伝説が一部でいまだに信じられているのも(えー)、致し方のないことかもしれない。

 そこで僭越ながら、昆虫食に興味を持ったら知っておきたい「むしくいルール」を、改めてアナウンス。「好きに食べればいいじゃない」、「自分の食べ方にはポリシーがあるんで!」なんて主張もあるかもしれないが、食のマナーや衛生管理は、健康や人間関係を構築する重要案件。まずはご一読いただき、虫を食べる際の最低限の知識を、あなたの引き出しのひとつに入れておいていただけないだろうか?

■知っておきたいむしくいルール1

【"生食い"は、感染症リスク大!】

 昆虫食文化における「虫」は、加熱して食べるものがほとんどである。ところがそれとは別に、「生食い」に挑戦する人がパラパラと現れる。それがプロによるエンターテインメントの演出であるなら、とやかく言うつもりはないのだが、「エクストリーム・昆虫食」なノリで、または周りに勧められるがまま、生食いするのは絶対にダメ。

 それは虫を生で食べると(ペットショップで養殖されたものは特に)、サルモネラ菌による食中毒を起こす可能性が高いからだ。さらに、野外で採集した場合は、野生動物に感染する寄生虫や雑菌が混入している可能性もある。そのため、万が一、人に感染した場合は、予想できない重篤な症状になることもある(「寄生虫 迷入」で検索してね!)。

 虫も普通の食品と同じように、"75度で1分以上"の加熱が基本である。だから、申し訳程度にササッと加熱して出されたような虫料理にも、口に入れないほうが賢明だ。「出されたものは残さず食べる」というマナーは、ここではそっと忘れておこう。

■知っておきたいむしくいルール・その2

【甲殻類アレルギーの人は、虫を食べるべからず】

 動物の筋肉中には、トロポミオシンというタンパク質が含まれている。その中でも特に甲殻類の持つトロポミオシンはアレルギーを引き起こしやすい傾向があるのだ。昆虫は甲殻類と近い生き物であるため、同様の反応が起こる可能性が高いとされている。
 
 そのため、人に虫料理を勧める際には、必ず甲殻類アレルギーの有無を確認したほうがいい。同じ理由から、サプライズで虫を食べさせたり、強要したりするのはもってのほかだ(アレルギーがなくてもどうかと思うが)。アレルギーの無い人も、体調が悪い時は食べ慣れないものに反応する場合もあるため、念の為控えたほうがいいだろう。ちなみに過去に"ゴキブリ早食いコンテスト"で死亡者が出た事件の原因は、アレルギーでも毒でもなく窒息死である。さらに余談だが、「トロポミオシン」って、何だかテクノポップバンドの名前みたいである。

■知っておきたいむしくいルール・その3

【同定できない虫には、手を出すべからず】

 野生昆虫を捕まえると「コレ、何の虫?」、となることもある。そのように同定(その個体が何の種であるか判明させること)できない虫も、食べてはいけない。なぜなら虫には毒を持つものがいるからだ。中でもやっかいなのが加熱しても分解されない毒を持つ、マメハンミョウなどである。
 
 ほかにもいろいろな種類はあるが、確実なのは図鑑で毒があると報告がある虫、毒性のあるものを食べる虫、刺激毛のある虫を食べないことだ。間違っても「虫の闇鍋」なんて馬鹿げた遊びはやめておこう(やらないと思うけれど)。

■知っておきたいむしくいルールその4

【採取ルールの確認も必須!】

 狩猟に規則や釣りに禁止区域があるように、所有者のいない野生生物だからといって、好き勝手に捕ってはいけないのは、もはや常識。虫の場合も、採集禁止の公園や立ち入り禁止の河川敷は多い。里山などで採集する場合も、むやみに樹木を傷つけたり、草花を踏み荒らしたりしないよう気をつけたい。
 
 また、タガメ(国産)など、絶滅危惧種の捕獲はもちろんダメ。その地、域外で採った虫を放すこともルール違反のひとつである。ペットショップなどで手に入れた外来種を放すのは、生態系を乱すため、言うまでもなく厳禁だ。
 
 採れたてを味わうため、アウトドアでキャッチ&イートを楽しむ人もいるだろう。その際は"直火でたき火をしない"など、アウトドアの基本ルールも頭に入れておきたい。「純粋に自然を楽しみたいだけなのに!」なんて主張もあるかもしれないが、これらを守れなければ、自然愛もただの妄言に...。

■知っておきたいむしくいルールその5

【"食用外のものを扱っている"という自覚を持つ】

 今年7月に韓国で、チャイロコメノゴミムシダマシ(通称・ミールワーム)が食用許可を受け、また9月には再来年から7種類の昆虫が合法的に食卓に上るだろうという報道があった。しかし日本においては、まだまだ食用として認められていない虫がほとんどである。そのため、特にペットショップの養殖昆虫を扱う際は"ペットの生餌用昆虫を、目的外に利用している"という自覚を持つことがとても大切だ。
 
 また、昆虫飼育者としてのマナーも最低限身に着けたい。不快感を覚える人も多い虫やは虫類を公共の場で見せびらかせば、迷惑行為にもなり得るし、生体を不適切な温度帯に長時間さらすなどは、昆虫食云々以前の問題だ。

「いろいろ面倒くさいなあ」と感じる人もいるかもしれないが、特別難しいことを言っているワケではなく、ごく常識的なことばかりである。しかし、なぜだか"虫"を手にするとその常識がどこかへ飛んでいってしまうのか、何か(寄生虫!?)に操られているのか、謎パフォーマンスをし出す人が度々現れるため、ここで改めてまとめさせていただいた次第である。

 さて、すっかり長くなってしまったが、最後にもうひとつだけ。昆虫食初心者としてこんな心がけができればパーフェクト! それは「昆虫食文化への偏見を助長する行為をしない」ということだ。別の文化に置き換えて考えてみれば、いくらアニメが好きでも「クールジャパンを知ってもらうきっかけになるんです!」と、犯罪レベルの露出をしたコスプレで海外を練り歩いたら、純粋に原作を楽しんでいる人には迷惑極まりない話だろう。

 それと同じことで、わざわざ「気持ち悪い!」と顔をしかめられるような盛り付けや食べ方をするのは、昆虫食文化に対して失礼というもの(原型をとどめるかどうかの問題は、また別の機会に)。今の日本では少し奇異に映るかもしれないが、昆虫食はひとつの食文化であり、普通の食材と変わらない。そんなことを頭に入れつつ、美味しく、楽しく、虫を食べよう。これからは、バッタやハチノコの美味しい季節がはじまります。
(文=ムシモアゼルギリコ)

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