運河から61人の遺体 ― 21世紀のジャック・ザ・リッパー現る?=イギリス

運河から61人の遺体 ― 21世紀のジャック・ザ・リッパー現る?=イギリス

 英紙「Daily Mail」の電子版によると、イギリス北部のマンチェスターでは、過去6年間に61人もの水死体が運河から発見されたと伝えている。しかも、その原因が「ゲイ嫌いの連続殺人鬼」の仕業ではないかというのだ。

■浮上した「シリアルキラー説」

 マンチェスターの運河沿いに延びるカナル・ストリートは、オシャレなバーやレストランが立ち並ぶ「ゲイ・ヴィレッジ」として知られている。毎晩、どんちゃん騒ぎのワイルドなエリアである一方、通りの外れまで来ると人通りも絶え、街灯も乏しくなにかと物騒になる。

 そんなワケありの場所で起こった事件だけに「同性愛者狩りの連続殺人では?」と憶測を呼んでいる。クリス・ブラニーさん(22歳)は、2012年6月「ストーン・ローゼス」のコンサートの後、行方不明になっていた。警察による大規模な捜索が行われたが10日後、変わり果てた姿で運河から引き揚げられる結果となった。このとき、遺体の腐敗が進んでいたため、検視官による死因の特定までは出来ず、自殺か他殺か今もって断定されていない。

 この夥しい数の水死体に対し連続殺人の可能性を主張しているのが、バーミンガム市立大学心理学部のクレイグ・ジャクソン主任教授だ。彼は「デイリー・スター」日曜版で「不慮の事故や自殺で、これほど多くの遺体が運河から発見されるとは考えにくい。飛び込み自殺するには運河は浅すぎる。だが、死体遺棄にはうってつけだろう。なにしろ水は証拠になるDNAを洗い流すのに最適だから」と語っている。また、これが本当に連続殺人事件なら、英国史上前代未聞の被害者数となる。

 教授の殺人鬼説が正しいとすれば、犯人は未だに捕まっていないことになる。だが、警察当局は教授の推理には同調しかねており、広報官は「それぞれのケースについて事実を十分に検証した結果、これらの事件の間には何の関連性も見いだせない」と発表している。また、カナル・ストリートでバーを経営するアーロン・ウイルソン氏も「1人のゲイ嫌いが60人以上の野郎たちを川に突き落として死なせるなんて、しかも警察がそんな凶行に及ぶヤツを未だ逮捕できないなんてありえない」とシリアルキラー説に懐疑的だ。

■地元警察は事件性を否定しているが...

 ゲイタウンの畔で起こった猟奇事件に人々の関心は高く、いつの間にやら謎の連続殺人鬼「プッシャー」(突き飛ばし屋)が、まことしやかに囁かれるようになった。「プッシャー」はイギリス本土に留まらず、北欧、アメリカ、オーストラリアでも話題となり、彼にニアミスしたとか暗がりで怖い目に遭った等の情報が、現在もツイッターで続々とハッシュタグされている(#thepusher))。

 現在、警察では「暗がりで酔っぱらって川に転落しただけかもしれない。連続殺人の可能性に結び付けて、残された遺族をいたずらに刺激したくない」とあくまでも事件性を否定している。今冬、カナル・ストリートでは警察によるパトロールが始まり、ゲイのカップルも家路を急ぐようになったと伝えられている。だが、謎は深まるばかりだ。
(文=佐藤Kay)

※マンチェスターのカナル・ストリート 画像は「Wikipedia」より

TOCANAの記事をもっと見る 2015年1月27日のびっくり記事
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