思いつく限りの「児童ポルノ」を今すぐ破棄せよ 逮捕されないために...!

思いつく限りの「児童ポルノ」を今すぐ破棄せよ 逮捕されないために...!
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 児童ポルノの単純所持規制がいよいよ始まる。1年前の「児童買春・児童ポルノ処罰法」の改正議論で、いわゆる「単純所持(保管)」が処罰対象になった。これまでは所持・保管をしていても、販売や提供、運搬、輸出入を目的としなければ、処罰対象ではなかった。改正してすぐに適用されれば混乱を招くために、1年間は周知期間として適用を見送っていたが、その期間がまもなく終わりを迎える。

 単純所持・保管が犯罪となると、例えば、児童ポルノの違法化以前に所持していた雑誌に掲載されていたものはどうなるのだろう。探し出し、処分しなければいけないのだろうか? あるいは、パソコンのハードディスクの膨大なデータから、児童ポルノに該当するものをわざわざ見つけ出さなければいけないのか?

 まずは昨年6月に改正された条文を見てみよう。第7条第1項は下記のようになっている。

 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。自己の性的好奇心を満たす目的で、第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。

 児童ポルノを「自己の意思に基づいて」「自己の性的好奇心を満たす目的」で所持したら、処罰対象になる。そのため、例えば、児童ポルノが郵送されてきた、などの場合は、対象外。しかし、郵送されてきた後に、「自己の性的好奇心を満たす目的」で所持したら処罰対象になる。また、データで保管している場合も同じだ。

 では、どうやって見分けるのか。昨年の衆議院法務委員会でなされた議論を振り返ってみよう。

■会議は踊る、されど...

 児童ポルノを「自己の性的好奇心を満たす目的」以外で所持するケースとして、改正案の提案者の一人、遠山清彦議員(公明党)は、国重徹議員(同)の質問に、大学の研究者が研究目的で所持したり、マスコミの報道記者が取材の過程で、取材上の必要性から所持することを想定し、処罰規定は適用されないと答えた。

 また、国重議員は「個人の内心に踏み込むような主観的要件を課すことになれば、捜査機関による自白強要を誘発させることにならないか」とも質問。これに対し、遠山議員は「客観的事情からの推認によって立証されないと、性的好奇心を満たす目的を持っているとは判ぜられない」と、誘発にならないと強調している。さらに、林真琴・法務省刑事局長も、所持に至った経緯、その内容、分量、所持の態様などを踏まえて「慎重に判断する」としている。

 続けて、遠山議員は「現在でも、提供目的の所持罪について、実際の捜査、訴追の実務におきましては、取得の時期、経緯について、仮に自白が得られた場合でも、必ず起訴前にその裏づけ捜査をする取り扱いになっている」とも述べた。たしかに、起訴前に十分な捜査は必要だ。しかし、逮捕段階では、起訴に耐えられるほどの十分な裏づけがなくてもよいとも取れる。

 また、もともとの法律の策定に関わった枝野幸男議員(民主党)は、違法化される前に入手した児童ポルノが「もうどこに行ってしまっているかわからない」「性的好奇心を満たす目的ではなくなっている」場合はどうなのかと疑問を投げかけた。改正案提案者の階猛議員(同)や林刑事局長は「処罰対象にならない」「家捜しまでして見つけ出して破棄することは求められない」と口をそろえる。

 いわば、家捜ししたり、わざわざハードディスクに入っているデータを検索してまで「児童ポルノ」を見つけ出さなくてもいい、ということになる。違法化前の雑誌やデータを持っていても、「性的好奇心を満たす目的ではなくなっている」となれば、有罪判決は受けないだろう。

 もちろん、逮捕されたとしても、「自己の性的好奇心を満たす目的」ではないことを証明すれば、起訴されず、もしくは起訴されても有罪判決を受けないだろう。しかし、「児童ポルノで逮捕された」という社会的イメージは付いて回ることになる。そのダメージは生活を送る上で計り知れないほど大きい。

■児童ポルノ法の最大の問題点

 この法律の最大の問題は、何が「児童ポルノ」なのか?ということに尽きるだろう。撮影過程は問題にできず、画像のみで判断しなければならない。2000年7月7日、京都地裁では児童ポルノの該当性判断が示されている。さらに、昨年の参議院法務委員会で、山田太郎議員(当時、みんなの党)は

「例えば性的な虐待が実際に行われているが、顔だけを写した動画でありますとか、あるいは、精液を顔にかけられたが、服を着ている裸ではない写真ですとか、 服を着ている状態でありますが、例えば動物の性器に無理やり触られている写真ですとか、または、服の上からロープでむちを打っている状態であるSMの写真、特にこれは性器の強調がない、それから、性的虐待中の音声ファイル、こういった例えば性的虐待の事実の記録物というものも存在しているかと思います。これらは児童ポルノにあたるのか」

 と、質問している。これに対して、遠山議員は「該当しない」と回答した。ただし、「これらが例えば重なり合って、そしてその動画であれば、動画全体の中に法律で規制対象になるような要素が含まれていれば、それは総合的かつ客観的な判断、評価として児童ポルノとみなし得る場合もあろうかと思います」とも述べている。動画の一部を切り取った静止画では、規制対象とならない場合もありえるのだ。

 基準の不明瞭さが見え隠れしつつも、7月15日より適用される「児童ポルノの単純所持罪・保管罪」。逮捕されないためには、思いつく限り所持している「児童ポルノ」を破棄したほうがよさそうだ。ただ、グレーゾーンも多いため、あなた自身が「児童ポルノ」ではないと思っていても、該当する場合もあるし、その逆もある。ビクビクしないためには、児童ポルノと思われる範囲を広げる必要があるかもしれない。
(渋井哲也/ジャーナリスト)

※イメージ画像:「Thinkstock」より

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