【三重・女子高生殺害】6つの類似事件からみる「自分殺し」の依頼パターン

【三重・女子高生殺害】6つの類似事件からみる「自分殺し」の依頼パターン

 9月29日、三重県伊勢市尾上町の雑木林「虎尾山」で市内の私立高校に通う3年生波田泉有(はだ・みゆ)さん(18)の遺体が発見された。県警は29日、同じ学校の同級生の男子生徒(18)を殺人容疑で逮捕。

 波田さんは周囲に「18歳までに死にたい」と漏らしており、自殺願望があったとみられている。一方、男子生徒も「(波田さんを刺した)包丁は自宅から持ってきた」「何度も殺害を頼まれた」と供述していることから、県警では嘱託殺人容疑を視野に入れた捜査が行われている。

 一体なぜ、嘱託殺人はなぜ起きてしまうのか? これまでの事件から分析してみよう。

【その他の画像はこちらから→http://tocana.jp/2015/09/post_7525.html】

■自殺願望を抱く主婦を高3男子が

 嘱託殺人と聞き、真っ先に思い出すのが、2001年1月、埼玉県岩槻市(現在、さいたま市岩槻区)で、ネット恋愛の末に、自殺願望のあった主婦を、栃木県宇都宮市の私立高校3年生の男子生徒(18)が殺害しようとした未遂事件だ。 男子生徒は少年審判の過程で主婦から殺害を依頼されたことを告白。「あなたが殺さなくても、プロに頼むから」と言われていたという。主婦は親の介護疲れからか、自殺願望を抱いていた。殺害当日、男子生徒はセンター試験だった。しかし、彼女の自殺を止めようと、主婦宅に向かう。そして、説得に失敗、刺し殺してしまった。

■19歳少年が会社社長を

 2003年9月、東京都中央区の会社社長(46)が刺されて、埼玉県川越市の少年(19)が逮捕された。少年はインターネットの掲示板で会社社長と知り合い、「殺してほしい」と頼まれたという。前金で数十万円を受け取り、成功報酬の100万円は「借用書」としてもらっていた。「あとで家族に渡して、現金をもらえ」とも告げられていた。

 男の会社は借金を抱えており、自身の生命保険で借金の返済にあてようと、インターネットの掲示板で殺人依頼を書き込んだのだ。インターネットを通じた嘱託殺人でも報酬があったのはこれが初めてだった。

■33歳の男が21歳の女性を

 2007年10月、川崎市在住の女性(当時21)が自宅で亡くなっているのが見つかった。女性はひとり暮らしで、当初、神奈川県警は自殺とみていたが、おかしいと思った父親が司法解剖を願い出た。結果、窒息死だと判明。すでに麻薬特例法違反で逮捕されていた千葉県市原市の男(33)を再逮捕した。

 男は自分で開設した掲示板でハンドルネーム「デスパ」を名乗り、何でも屋をしていた。女性は自殺願望があり、「死ねる薬」を20万円で依頼。デスパが与えた「死ねる薬」では死ななかったため、ビニール袋をかぶって口元を縛るように伝え、デスパが首元を締めて殺害した。この女性の場合、デスパには何の感情もない。

■18歳女子大生が無職の男を

 2014年4月、島根県警松江署は、インターネットで知り合った無職の男性(当時31)を殺害したとして、名古屋市に住む女子大生(18)を嘱託殺人の疑いで逮捕した。わざわざ名古屋から島根に行って殺害した理由を「殺してくれと頼まれ、首を絞めた」と少女は供述した。

 当日、少女は母親に「ネットで知り合った男性に会いに行く」と告げていたという。犯罪の現場となった被害者の祖父の所有アパートの室内には練炭もあったことから、恋愛感情のようなものはないが、ネット心中未遂ではないかともみられている。

■足の痛み訴える妻を夫が

 14年11月、千葉県茂原市で、足の痛みを訴えていた女性(当時83)を夫の男(93)が殺害した。女性からの依頼だった。千葉地裁は「短絡的な犯行」としたが、「愛情故の犯行だったことを疑う余地はない」「60年以上連れ添った妻を自ら手にかけることを決断せざるを得なかった被告の苦痛は道場を禁じ得ない」として、懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡した。これは、病気を苦にした希死念慮があった妻を、愛情を持って殺害したケースだ。

■自殺サイト殺人事件

 また、嘱託殺人として立件はされなかったが、自殺願望のある者たちを次々と殺害した事件もある。大阪・自殺系サイト殺人事件だ。

 2005年2月~6月の間に、元派遣社員の修理工の男(36)が自殺系サイトで知り合った男女3人を殺害。投稿していた女性を抵抗できないようにして、口をガムテープで塞ぎ、窒息死させた。苦しさに悶絶する表情が見たくて、何度も失神と覚醒を繰り返した。その後も男性2人を同じく苦しませながら殺害した。

 ちなみに、この男は小学校5年生のころ、近所の子どもを襲って、口や鼻を塞ぐという事件を起こしている。それ以降、高校卒業までに類似の犯行を50件あまり繰り返していた。そして、勤務先の郵便局の同僚に対する暴行事件を起こし、精神科に通院。さらには、通行中の女性を襲い、怪我をさせたことでも有罪判決を受けている。それでも「窒息して死に至る人間の苦しむ姿を見たい」と思うようになり、犯行を繰り返したのだ。

 こうしてみると、嘱託殺人といってもさまざまなパターンがあることがわかる。

1)恋愛感情を持つ相手の願いをかなえる
2)淡々と仕事とそして殺人をこなす
3)一緒に死のうと思ったが、死ねなかった
4)自らの欲望のはけ口

 などだ。

 今回の三重・女子高生殺害事件は、「親友」とされる同級生の男子生徒が殺害した。また、一緒に死のうとした形跡も見られない。「親しみ」のある相手に同情したのか。あるいは、「友情を超えた愛情」として願望をかなえようとしたのか。詳細はまだ明らかになっていない――。
(文=渋井哲也/ジャーナリスト)

※イメージ画像:Thinkstockより

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