火事で顔が溶けた元消防士、イケメン選手の顔面を移植! 

火事で顔が溶けた元消防士、イケメン選手の顔面を移植! 

 イギリスの「Daily Mail」紙のレポートによると、今年8月、自転車の事故で亡くなったデビット・ロードバラ氏の顔を、住宅火災の救助中に自分の顔を失った元消防士のパット・ハーディソン氏に移植するという、前代未聞の手術がニューヨーク大学メディカル・センターで行われた。成功する可能性は50%、失敗すれば死に直結という極めてリスクの高い手術によって、ハーディソン氏は、顔を取り戻すことができたのであろうか?

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2015/11/post_8024.html】

■"顔面喪失"から人生が暗転

 命は助かったものの、自分の子供ででさえ恐れる異形の面持ちとなってしまったハーディソン氏に、イケメンのロードバラ氏の顔をそのまま移植する。ニューヨーク大学メディカル・センターのエデュアルド・ロドリゲス医師の率いるチームが行った手術とは、どんな手術だったのだろうか。

 2001年9月5日、ミシシッピ州セントビアで起こった住宅火災の現場でのことである。消防士のハーディソン氏が、他の2人の消防士とともに、女性の救助ために火災現場に突入した際に運悪く天井の崩壊が起こった。炎の凄まじい熱のために。放水用のホースは融け、身に付けていた防火マスクも融け出してしまった。ハーディソン氏はマスクを顔から引きはがし、目を閉じ、呼吸を止め、なんとか現場から外に出ることに成功した。

 同僚のコール氏証言によれば、ハーディソン氏の顔面はまるで炭のようで、顔一面から煙を出し、肉が融け落ちている状態であったという。医師によれば、ハーディソン氏が融け出したマスクを取り、目を閉じ、呼吸を止めたことが、彼の眼球を守り、熱風から気道と肺を守ったとのこと。

 事故後63日間の入院中に、自分の太ももからの自家移植によって顔のうわべだけは取り繕うことができたが、耳、唇、鼻とまぶたのほとんどを失うことになってしまった。命をとりとめたものの、正常にモノを見る能力を失い、まるでゴムマスクを貼り付けたようなおぞましい顔つきとなってしまったのである。

 家に戻ったものの、自分の3人の子供からさえも恐れられたその顔での生活は想像を絶するような精神的苦痛を伴うものであった。7年間に71回もの手術を受け、口と鼻を形成し、皮膚移植によってまぶたの形成を行ってきたが、精神的な鬱のスパイラルに落ち込むことも度々あり、事故後元妻との間に2人の子供を授かりはしたが、結局結婚は破綻してしまう。心機一転、タイヤショップの経営に乗り出すも、鎮痛剤への依存症のために失敗、破産となり、自宅までも奪われてしまう結果となってしまうことになる。

■26時間にも及んだ"顔面移植手術"

 彼に、転機が訪れたのは2012年のことである。教会での友人がメリーランド大学メディカル・センターで行われた顔面移植手術を成功させたロドリゲス医師に宛てた1通の手紙からである。ロドリゲス医師は、彼の助けになれるかもしれないとの返信後、2014年8月には、移植の待機リストに載るまでになったのである。

 顔面移植の場合、血液型や、肌の色、毛の色だけではなく、頭蓋骨の骨格の一致までが必要とされ、適合するドナーは少ない。待機リストに載ってから約1年後、ニューヨークの非営利臓器移植ネットワーク団体「LiveOnNY」から、朗報が入る。7月に自転車事故で頭を打ち、1週間後に脳死宣告を出されたサイクリストのデビット・ロードバラ氏がドナーとして適合の可能性が高いとのことである。

 LiveOnNYの担当者が、顔面移植のための承諾を請いにロードバラ氏の母親を訪ねた際には、生前のロードバラ氏は消防士になりたがっていたとの話もあり、移植の承諾をもらうことができた。ロードバラ氏は、それだけではなく、心臓、肝臓、腎臓、角膜、骨、皮膚組織までも他の移植のために臓器を提供しているのである。

 実際の手術は、ロドリゲス医師によって、ドナーであるロードバラ氏の後頭部から切開し、表皮、筋肉、神経などを含んだすべての組織を頭から顔面にかけてすべて剥がしとることから始まった。一方で、外科チームがハーディソン氏の顔面と頭部分の組織を取り除き、そこにロードバラ氏から剥がされた組織を移植していく形で進行していった。ロドリゲス医師によって血管が繋がれ、述べ100人以上のメディカルスタッフによる26時間にも及ぶ大手術となったのである。

 手術後3カ月たった現在、ハーディソン氏の回復は順調で、後数回の外科手術は必要とされているが、まぶたを再び得ることができ、モノを見ることも可能となりつつある状態となってきている。医師によれば、最終的に一見には顔面移植手術をうけたことがわからない程までの回復が見込まれている。ハーディソン氏は、四六時中じっと見られ、恐れられる人から、普通の男に戻れたとコメントを残している。

 他人の顔ではあるが、異形から人としての顔をとりもどしたことになるのであろうか。失ったものを取り戻したハーディソン氏に明るい未来が待ち受けていることを祈るとともに、この医学的躍進が、人の顔と心を救うすべのひとつとして確立されていくことを願っている。
(文=高夏五道)

※イメージ画像:「Thinkstock」より

あわせて読みたい

TOCANAの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

びっくりニュースアクセスランキング

びっくりランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る
2015年11月28日のびっくり記事

キーワード一覧

このカテゴリーについて

世界のびっくり事件や仰天する出来事などついつい気になる情報をお届け中。

通知(Web Push)について

Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 登録方法や通知を解除する方法はこちら。