AV出演強要された松本圭世アナ「自殺も考えた」「車の中に案内され…」

AV出演強要された松本圭世アナ「自殺も考えた」「車の中に案内され…」
       

 5月26日、元テレビ愛知のアナウンサーで、現在フリーランスで活躍している松本圭世さんが、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)が主催した参議院議員会館でのシンポジウム「AV出演強要の被害根絶を目指して」で、自らの“AV出演疑惑”について「騒動になるまで知らなかった。自殺も考えた」と話した。

 2014年、松本さんは当時愛知県内のローカル局テレビ愛知のアナウンサーだった。そんな中で、“AV出演疑惑”が噂された。

 出演した番組は「街角で声をかけて、男性の悩みを聞く」というスタイルのものだった。ネットの動画サイトでもアップされていたが、松本さんの出演は、飴をなめている姿を撮影されたものだった。それを見る限り、性行為の場面もなく、特に嫌がっている様子も見られず、ヤラセのようにも見えた。しかし、たしかにエロチックになるような演出や編集はなされていた。

「いわゆるナンパものですが、飴を舐めている映像を使われました。しかし、世間で騒動になるまで、AVの冒頭部分にその映像が使われていることを知りませんでした。インターネットで知ったのですが、そのときはびっくりしました」

 AVの中には、プロの女優だけでなく、素人の映像を使う場合もある。応募の場合もあれば、街頭で声をかけるいわゆるナンパものもあったりする。

 だが、松本さんは“知らぬ間に映像が使われていた”というのだ。

「心当たりはありました。それは騒動となる4~5年前、大学生のことです。『困っているから助けてください』『バラエティ番組のようなものを撮影していて、誰も協力してくれない』『男性の悩みを聞いてくれるだけでいいです』などと言われたのです。それだけ困っているのならいいかな。……と、半ば人助けのような気持ちで了承しました」

 街頭でインタビューをするテレビ番組はいくらでもある。松本さんの話によると、撮影する側は、「バラエティ番組のようなもの」とだけ告げ、AV撮影だとは告げていなかったという。

 撮影側としては、正直に「AVの撮影だ」と話をすれば出演を断られるとの判断があったのではないだろうか。それを見込んで、撮影内容をごまかした可能性はあるだろう。

 そして松本さんは、スタッフのいる車の中に入っていった――。

「小さな車に案内されました。そのときに車内には女性スタッフがいました。その女性にメイクを直されて、断りにくい雰囲気でした。ただ、女性がいるということで警戒しなかったのです。そして、承諾書のようなものを差し出されました。そこにAVを連想させるような文言はありませんでした。名前を書いて、スタッフに差し出しました。そのとき、承諾書の控えはもらっていません」

 承諾書の控えはないというが、これは一般の映画やテレビ番組でもあるパターンだ。筆者も、番組出演時、撮影前にサインをすることはあるが、書面の控えをもらったことはほとんどない。ただ、私の場合は出演する番組があらかじめわかっていることばかり。しかし、当時の松本さんは「バラエティ番組のようなもの」とは聞いているが、番組名は聞いていない。

「当時、私は大学生で社会経験がない。そのため、“こういうものなんだ”と思っていました。そして、男性スタッフに、(撮影の舞台となる)大きい車に案内されました。最初は男性の話を聞いているだけでしたが、だんだんおかしな雰囲気になってきました。飴を出されて、おかしいな、と思ったんです」

 こうした場合、なぜ拒否もせず、逃げもしなかったのか、と被害者が批判されることもある。しかし、松本さんは逃げられなかったことについてこう話した。

「そのときは車内にいて、撮影が始まっていました。出入り口はひとつしかない。『逃げればよかったじゃん?』と思うかもしれませんが、(男性スタッフが何人もいるために)難しかった。撮影が終わった後に、『使用しないで』とお願いすればいいと思いました。そのことを言うと、スタッフの人は『大丈夫、大丈夫』と言った。それで私は(使用しないという意味で)大丈夫だと思ってしまった」

 松本さんはきちんと確認したつもりだったが、どんな意味で「大丈夫」という合意になったのかはあいまいだった。また、映像の破棄を求めたわけでもなかった。そのため、AV作品の一部に使用されてしまっていたのだ。

「知らないところで知らない間に映像が使われて、販売されてしまいました。そのため、担当していた番組をすべて降板となったのです。その後1年以上、アナウンサーの仕事ができないでいました。今となっては笑って話せますが、一時期は自殺も考えました」

 松本さんは解雇ではなく、契約が満了されたための退社だった。しかし、番組降板の6月から契約満了までの3カ月間、テレビに出ることはなかった。その頃に自殺を考え、自殺サイトも閲覧していたというのだ。

「落ち度があったのではないか? と言われたりします。正直、私も(落ち度が)ゼロではない。ただ、当時は何もわからなかったのです。そして忘れた頃に騒がれることになったのです。被害に遭う方が1人でもいなくなればいい。脇の甘さはあったと思いますが、騙される方が悪いというのはおかしい。被害者に声に耳を傾ける環境になることを願っています」

 このシンポジウムは、HRNが発表した「日本:強要されるアダルトビデオ撮影 ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す、女性・少女に対する人権侵害 調査報告書」に関連したもの。

 3月3日での記者会見以降、元AV女優や現役女優、その他の関係者が反論したり、同意したりして、議論になっている。そんななかで、5月には、AV女優やAV男優、AV監督らによるトークショーも開かれている。このとき、HRN側にも参加要請をしたというが、関係者の出席はかなわなかった。

 ちなみにこの日は、HRN側が、成人向けの実写、アニメ、ゲームなどの製作会社やメーカーが会員になっているNPO法人知的財産振興協会(IPPA)を招待したものの、欠席した。

 しかし、文書で「被害に遭われた方々が実際に存在しているということに関して、AV業界は重く受け止めるべきであり、改善の必要があると感じており、制作会社の団体として何ができるのか、何に取り組むべきかの検討を進めておりました。御団体のご協力をお願いできないかと考えております」とのメッセージが寄せられた。

 もちろん、AV業界に限らず、どんな業界でもブラック企業は存在している。そのため、労働法や消費者保護の観点からも法的な見解や提言がなされている。だが、AV分野に関してはそうした第三者機関がないのが現状だ。被害相談があった場合でも、適正に審査をし判断できる機関は、自主規制レベルでも行政レベルでもないのが現状だ。

 松本さんは、前抜きな気持ちでAV業界で働いている友人もいることもあり、「被害があるのは間違いようのない事実」としながらも、「AV業界全部をなくしたいというわけではなく、こうした被害をなくしていかなければと思っている」と訴えている。
(文=渋井哲也/ジャーナリスト)

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