麻薬界の女帝・ヘロインの本当にヤバすぎる快楽とは? 止められない理由と脳内作用を徹底解説!

麻薬界の女帝・ヘロインの本当にヤバすぎる快楽とは? 止められない理由と脳内作用を徹底解説!
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 一度使ったらもう離さない。最強の依存性麻薬ヘロイン。薬物界の女帝ヘロイン。

 あまりに「麻薬」として有名なヘロインですが、実際のメカニズムや実は類似薬が存在する話など、その実態と裏側のエピソードは、悪名に覆い隠されて見えづらくなっています。
 
 それでは、“女帝の秘密のベールの内側”を少し覗いてみましょう。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2016/07/post_10483.html】

●ヘロインとほかの麻薬との決定的な違い

 人はかくも快楽に弱い。それは覚醒剤の紹介でも書きましたが、人は自らの脳が生み出す「快楽」のために生きています。そして、その快楽のためならなんでもする。それが人間です。

 オピオイド麻薬(ヘロイン)のもたらす快感は、麻薬の中でも最強と言われています。なぜなら他の麻薬は、麻薬を使った上で、セックスをしたり、映画を見たり、遊園地に行ったりと、快楽を補助する薬物として使われがちなのに対して、ヘロイン中毒者はアヘ顔どころか無表情で床に転がっているだけ。決して快楽の補助としての薬物ではないというところが他の薬物との顕著な違いです。

 この「床に転がってるだけ」というは、映画や歴史ドラマなどで、“阿片窟で廃人達がゴロゴロしているシーン”そのものだと思っていいでしょう。では、彼らの脳内では一体何が起こっているのでしょうか?

●ヘロインを知る上で重要な「オピオイド」

 ヘロインやモルヒネをはじめとするオピオイド系の薬物は、脳内のオピオイド受容体という、名前そのままの受容体に作用することが知られています。

 もう少し正直に説明すると、ケシ由来、阿片由来の麻薬性オピオイドを「オピエート」と呼び、「オピオイド」は、そこから合成された化合物や、脳内麻薬であるエンケファリンなど(のちほど説明)、天然オピエートを模して合成されたものを全部ひっくるめての総称です。

 まとめると、「天然由来はオピエート」「オピオイド受容体にくっつくものはひっくるめてオピオイド」と呼んでいるという豆知識を知っておくといいかもしれません。

●大ケガをしたときに感覚を麻痺させる作用

 では、オピオイドの歴史を紹介しましょう。

 1960年代に入って、モルヒネを原材料とした「エルトフィン」というモルヒネの数千倍の強さを持つ化合物が合成されました。これはあまりに強すぎて、人間に使うとごく微量でも麻薬作用を持つ以前に致死量に達しやすく、名実共に天国行きになってしまうので、キリンやゾウ、グリズリーなどの巨大な動物の麻酔薬や、麻酔銃の薬物として使われています。

 そして1972年に脳の中心部に多くある「オピオイド受容体」が発見されると、これが大けがなどの際に痛みを感じなくさせるためのスイッチとして機能していることがわかってきました。それが脳内麻薬などと称される「インドルフィン」や「エンケファリン」「エンドモルヒネ」などと呼ばれる物質です。これらはアミノ酸が連なったペプチドで、これがオピオイド受容体に結合することで、強力な鎮痛作用を示すことが分かったのです。

 逆に、このオピオイド受容体の働きを阻害する物質も次々と見つかりました。代表的なのはナロキソンで、モルヒネ中毒の治療薬としても機能します。ナルトレキソンというさらに強い拮抗薬も存在し、エルトフィンの解毒薬として獣医分野で使われています。

 交通事故や、転落などで大きなケガをしたことがある人はわかると思うのですが、事故当初は、本当に「えらいこと」になっているのか怪しいくらいに痛みがなく、冷静な判断ができてしまうものです。それは、人間が大ダメージを受けたときに痛がっていてはそのまま死ぬしかないので、とりあえず痛みをオフにして、危機を回避するために脳がはたらいている証拠です。この“生きるための脳の仕組み”こそが、このオピオイド受容体の仕事だといえるわけです。

 これを転じて考えると、理論的には人間を拷問にかける前にオピオイド拮抗剤を投与しておけば、苦痛の先の桃源郷へ現実逃避させることをできなくさせることも可能なわけです(受容体の特性から、おそらく完全には動作しないと思うけど)。

●オピオイドは脳内で何をするのか?

 オピオイド受容体は脳内のあちこちに存在しますが、受容体にもいくつか種類があり、δ(デルタ)、κ(カッパ)、μ(ミュー)の3種類があります。そして、この3種類からさらにそれぞれ数種類あり、これからも発見されて増えていくと思われます。

 それぞれの受容体によって、多幸感や抗鬱作用、胃腸の動きを止めたりなど、体の反応が異なります。

 多幸感をもたらすのが「オピオイドμ受容体」で、鎮痛などを担当しているのは「κ受容体」なので、薬の選択制が高ければ痛みを抑えつつ、多幸感は発現しにくいようにと分子的な調整も可能になるわけです。

 ともあれ麻薬としてのオピオイドは血管に入ると、2、3分で脳に達して中脳腹側被蓋野に多くあるμ受容体に結合、中脳腹側被蓋野は快感を司る、通称A10神経の司令塔であり、ドーパミン作働性ニューロンをフルスロットルにして凄まじい快感を生み出します。これがヘロインです。

この快感は、あらゆる麻薬のなかでも別格らしく、“人間が本来生まれてから死ぬまでに味わうあらゆる快感を遙かに超越するもの”なので、一度でもその恍惚感を知ってしまうと、麻薬を止めても、人生自体が無味乾燥としたものに感じられ、あらゆることに達成感も何も感じなくなってしまうという、まさに人生そのものを破壊しかねない効果があるというわけです。

 それだけハイパワーな快楽があると、人間は行動することが不能となって、ただただその快感を味わうために、床にゴロゴロと転がる……というゴミ以下の存在になり果てるわけです。

 ちなみに、ガンや戦争での大けがなどの、実際にひどいケガ、痛みが存在するときは、ドーパミンの放出量が抑制されるので、そうした多幸感は比較的出にくくなります。

 故に、映画とかでヘロインなどの麻薬を打たれたヒーローが、正気、意識を取り戻すために自分の体を刃物で刺しすというような演出が出てきますが、理にかなっているといえるわけです。

 本来人間を生かすためにはたらくはずのオピオイド受容体を悪用すると、クズ人間になってしまうということです。ご注意を!
(文=くられ)

※イメージ画像:「Thinkstock」より

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