「時間は実在しない。幻想である」物理学者2人が“時間の定義”を完全に覆す理論を提唱!

「時間は実在しない。幻想である」物理学者2人が“時間の定義”を完全に覆す理論を提唱!
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 我々は1日中時間に追われて生活している。ある作業に極度に集中して時間を忘れることもあるが、それも永遠には続かない。カレンダーや時計など時間を告げる道具がなければ、日常生活に支障をきたす人がほとんどだろう。出席したくない会議やテストが目前に迫っている時など、「時間が止まればいいのに」と願っても、時間は無常に経過し、(生きている限り)必ずその時はやってくる。いくらあがこうとも人間は時間の奴隷でしかない、そんな絶望を感じるほど時間は我々にとって絶対的だ。しかし今回、物理学者が、時間は実在しないことを理論的に証明してしまったという驚きのニュースが舞い込んできた!

■時間は実在しない

 英紙「Express」(12月3日付)によると、世界的に著名な2人の物理学者が、時間は実在せず、人間の幻想に過ぎないと主張しているという。我々にとって時間はあまりにも当たり前すぎて、その存在を疑うことさえ困難であるが、一体どうして彼らは時間が実在しないと言うのだろうか?

 本題に入る前に、まずは我々が知っている日常的な時間について考えてみよう。いうまでもないことだが、1度起きてしまった出来事は取り戻すことができない。時間を巻き戻して、やり直すことはできないのだ。なぜだか理由は分からないが、時間とは非―対称的なもので、矢のように一定方向にしか進まず、元に戻ることがないという奇妙な性質を持っている。

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 しかし、物理学においては、時間は未来にも過去にも自在に進むことができる対称性を備えているという。ちょうど映像を逆再生するように時間を遡ることがあっても良いと考えるわけだ。そのため物理学では、膨張する宇宙が時間を遡って収縮してしまう「ビッグクランチ」を想定することが可能となる。むしろ一部の物理学者にとっては、時間を一定方向に進む矢のように非―対照的だとみなすことの方が理解しがたいという。では、彼らが考える時間の本質とは一体何なのだろうか? 2人の物理学者が「ブロック宇宙論」と「現在主義」という異なる立場から時間の非—実在を説明している。

■「ブロック宇宙論」

 米マサチューセッツ工科大学の物理学者マックス・テグマーク教授は、「ブロック宇宙論」の立場から時間の実在を否定することができるという。「ブロック宇宙論」とは、時間とは現在から未来へ向かって流れていくものではなく、過去・現在・未来が等しいものとして存在すると主張する物理学的時間論である。やや分かりづらい概念で恐縮だが、中学校で習う二次元座標、いわゆるグラフを思い浮かべてもらえれば案外理解しやすい。二次元座標のx軸を時間軸とすると、x軸上の点を移動することで過去から未来まで自由自在に時間を設定することができる。そして、その点を操るあなたは、すべての時間を等しいものとして扱うことができるのだ。

 映画「インターステラー」に登場する4次元立方体も同様である。主人公クーパーが4次元立方体の中を移動することで、任意の時間に自由に“行く”ことができる。ちょうど3歩進むと明日になり、3歩下がると昨日になるようなものだ。彼にとって過去・現在・未来すべての時制は等しいものとして存在している。

 同じように、「ブロック宇宙論」では、過去・現在・未来にわたる全ての時間が空間的に位置づけられている。すると、取り返しのつかない過去や、自分が確実に死んでしまっている1億年後の未来などというものは存在しないと言えそうだ。このことから、テグマーク教授は、時間とは客観的な物理世界に実在するものではなく、「人間が生み出した幻想にすぎない」と結論する。

「流れる時間という幻想は脳が生み出しています。すでに過ぎた過去があるように感じるのは、我々の脳が記憶をとどめておくからに他なりません」

■現在主義

 一方、英物理学者ジュリアン・バーバー博士は、「現在主義」という別の立場から、時間の非実在性を主張する。博士は、物理学者であり作家のアダム・フランク氏との対談(「時間について:ビッグバン末期におけるコスモロジーと文化(About Time: Cosmology and Culture at the Twilight of the Big Bang)」)で、全ての場所がそれぞれの“現在”と対応するという想像上の国家「プラトニア」について言及している。空間と時間が対応する「ブロック宇宙」に似ているが、博士がここで特に注目するのは“現在”の特権性である。プラトニアではどこに移動しても、ある任意の時間が現在になってしまうため、ここには過ぎ去った過去や、未だ実現していない未来という時間の流れは存在しない。この思考実験から、次のような結論が導き出せると博士は言う。

「あなたが先週存在したという唯一の証拠は、あなたの記憶です。ところで、記憶は“現在の”脳のニューロン構造が生み出します」
「地球に過去があったことを証明する唯一の証拠は、岩や化石です。しかし、岩や化石から過去の存在を知るのは、それら岩や化石を調べている“現在の”我々です」
「要は、全ての記録(記憶)は、“現在の”あなたが持っているということです」

 英哲学者バートランド・ラッセルが考案した「世界5分前仮説」という奇妙な思考実験がある。ラッセルは、過去から現在に至るまで138億年にわたり存在してきたはずの宇宙(世界)は、実は今からたった5分前に作られたと考えても全く差し支えないという。1億年前の化石も、現在の我々にとって“1億年前の化石として”5分前に作られ、我々の記憶も5分前に“我々の記憶として”作られたため、客観的に1億年前という過去が実在しなくても、1億年前があったと考えることはできるというわけだ。ラッセルはたまたま5分前と想定したが、1分前でも、1秒前でも、仮説の本質は変わらない。それどころか、一瞬毎に世界が創造されていると考えることも可能だ。

 バーバー博士の「現在主義」が言わんとしてることも、突き詰めれば「世界5分前仮説」と同じである。つまり、記憶は“現在の”記憶でしかないため、どこまでいっても過去が客観的に実在したと証明することはできないのだ。

 狐につままれたような印象を受ける議論であるが、これら2つの説を理解する鍵は、物理学者が対象としている時間は物理学的な時間であり、我々が経験するような流れる時間は主観的なものに過ぎず“実在”の名に値しないと考えているということだ。

 かといって、物理学者の時間理解が我々にとってまったく面白みがないとも言い切れない。4次元立方体に住むことはできないとしても、時間の本質が本当に「ブロック宇宙」や「プラトニア」のようなものだとしたら、いずれはタイムトラベルだって可能になるかもしれないのだ。そう考えると、物理学者らの奇妙な時間理解も夢のある話に聞こえないだろうか?
(編集部)

※イメージ画像は、「Thinkstock」より

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