他者と10分間見つめ合うと幻覚体験・体外離脱することが判明! メカニズム不明の「アイコンタクト・パワー」

他者と10分間見つめ合うと幻覚体験・体外離脱することが判明! メカニズム不明の「アイコンタクト・パワー」

“視線”に関する研究が進んでいる。その中でも特に、他者と瞳を見つめ合う“アイコンタクト”状態について、昨今いくつか興味深い研究結果が報告されている。

■10分のアイコンタクトで幻覚作用

 雑誌の表紙や音楽CDのジャケットに共通する傾向がある。それは多くの場合、正面を向いたアップの顔写真が使われていることだ。人間は自分を見ている視線にきわめて敏感で、すぐさま視線の“発信源”を検知することができるという。これは他者や肉食獣から“獲物”として狙われた場合、いちはやく気づいて対処するために人類が獲得した能力だと説明されている。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2016/12/post_11767.html】

 表紙に正面を向いた顔の写真やイラストが使われている雑誌は、いわば棚からこちらに視線を送っていることになり、近づいた者に気づかれやすいのである。そしてもちろん、興味を引くことに成功した場合は手に取られることになり購入へと結びつくのだ。

 かくも強烈な影響力を持つ“視線”だが、あまりにもパワフルであるだけに、その扱いにはやはり注意が必要なようである。あまりに長く“アイコンタクト”状態を続けると幻覚を見かねないというから大変な話だ。

 伊・ウルビーノ大学の心理学者、ジョヴァンニ・カプート氏が率いる研究チームが昨年発表した研究では、“アイコンタクト”が意識の変容をもたらすことを指摘している。

 研究では実験参加者20名を対象に、2人1組で向かい合った椅子に座ってお互いの瞳を10分間見つめてもらった。つまり“アイコンタクト”状態を維持し続けたのである。

 その後、いくつかの質問に答えてもらったのだが、アイコンタクトの10分間に、多くの参加者が幻覚体験をしていたことがわかった。実に90%の参加者が、見つめているうちに相手の顔が変形してきたと答えており、そして50%が相手の顔に自分の顔を認めたと話し、また15%は親族の顔が見えたと断言している。なかには神秘的な“体外離脱”を体験したという声もあったという。

 この現象は「神経適応(neural adaptation)」という働きによるものと考えられている。まったく変化しないものを見続けていると視覚に関係した神経回路の反応が鈍くなるかあるいは完全に止まってしまい、視覚情報を一時的に受信しなくなるために起る現象であるということだ。どんな対象でも動かないモノを見れば神経適応は起るのだが、単に壁を見続けた者に比べて、他者の瞳を見ることでレベルの違う幻覚体験が得られるのだという。なぜ他者の瞳が図抜けた幻覚体験をもたらすのか、まだ詳しいことはわかっていない。

 カプート氏はこの現象をドラッグを使わない幻覚体験であるとも表現しており、良くも悪くもメンタルへの影響力がきわめて大きいことが示唆されている。“アイコンタクト”の力をあらためて確認させられる話題だろう。

■アイコンタクトで言語的思考能力が奪われる

 幻覚を見るだけではない。最新の研究ではアイコンタクト状態では言語的思考能力が奪われてしまうことが指摘されている。

 京都大学の研究チームがこの10月に発表した研究では、26人のボランティア参加者を対象にした実験が解説されている。実験では、PCディスプレイ上でこちらを見つめている人の顔と目を合わせた状態と、視線を外した状態で言葉の連想ゲームを行うというものだ。ゲームの内容は、例えば「ナイフ」という名詞を提示され、それに続く動詞「切る」や「刺す」などを選んで発言する。「ナイフ」なら選択肢の数が少なくなり比較的簡単だが、「手」という名詞を提示された場合は「書く」や「弾く」、「指す」、「振る」など多くの動詞が思い浮かぶため答える所要時間は長くなりがちになる。

 実験では、アイコンタクト状態ではこの言葉の連想ゲームで回答に要する時間が長くなる傾向がはっきりと浮かび上がったという。

「アイコンタクトと言語的思考能力はあくまでも別々の独立した脳の働きなのですが、会話中に多くの人々が時折相手の目から視線を外しています。これはアイコンタクトが言語的思考を妨げていることを示唆するものです」(研究論文より)

 モラルとしてもビジネスマナーとしても、相手の目を見ないで話すのは確かに失礼なことではあるが、ジッと目を見つめ続けた状態で会話を続けるのは脳機能的に無理があることが指摘されることになった。この現象もある程度は「神経適応」で説明できるということだが、とりわけアイコンタクト状態で強く起こるということになるのだが、そのメカニズムは完全に解明されていない。

 オンラインジャーナル「Collective Evolution」でこの話題をとり上げたケリー・ブラウン氏は、目を見つめ合うアイコンタクトの状態では、言葉で伝達する以上の情報がやりとりできるので、言葉を必要としなくなっているのではないかと指摘している。文字通り「目は口ほどにものをいう」ということわざを地で行く仮説ということになるだろう。

 またブラウン氏は自己啓発系のセミナーに参加して、初対面の人とお互いの目をジッと数分間見つめ合う体験をしたことも記事に盛り込んでいる。英語で「アイスブレイク」という、初対面でも打ち解けた関係になるための手法として、この数分間のアイコンタクトが行われたということだが、この体験を通して論理的には説明できないほどの相互理解を短時間で結ぶことができたという。アイコンタクトがもたらす“効能”が徐々に解明されてきているようだ。
(文=仲田しんじ)

※イメージ画像:「Thinkstock」より

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