コールドスリープ(人工冬眠)が実現間近! 1年後に動物実験を開始、人体実験へ

コールドスリープ(人工冬眠)が実現間近! 1年後に動物実験を開始、人体実験へ

 体を冷凍、もしくは低温状態に保つことで、長期間の宇宙船での惑星間移動を可能にする「コールドスリープ」。 宇宙SFには必ずといっていいほど登場する夢の技術が、ついに現実のものになろうとしている。


■コールドスリープが実現間近

 熊などの一部の動物は冬季のエネルギー消費量を極端におさえることで冬眠するが、人間は短い期間で定期的に食料や水分を補給しないとエネルギーが尽きて餓死するといわれている。

 しかし、これまでに人間が意図せずして冬眠してしまった事例はいくつも報告されおり、日本でも、2006年10月、神戸市の六甲山中で遭難した打越三敬さんが、遭難から24日後に体温が22度まで低下した状態で保護され、回復したというニュースが報じられている。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2017/02/post_12264.html】

 こういった事例から、人間も条件が整えば低温状態で数十日間冬眠できる可能性が示唆されてきた。そして、この可能性に多大なる関心を寄せているのが米宇宙開発企業「Spacesworks」社長ジョン・A・ブラッドフォード氏だ。

「我々の仕事はSFを少しだけ現実に近づけることです。しかし第一に、私は有人宇宙飛行に携わる宇宙開発エンジニアです。工学者の観点からしても、人工冬眠は合理的といえます」

 米ビジネスニュースサイト「Quartz」(1月22日付)によると、同社のコールドスリープ技術はすでに実現段階に差し掛かっており、早ければ2018年にも実証試験を開始するという。コールドスリープ中は新陳代謝の50~70%を抑えることができると試算されているため、実現すれば、搭乗員の食料や生命維持にかかわるライフラインの使用量をおさえることができると期待されている。


■2018年に動物実験を実施予定

 コールドスリープのベースとなるのは、心臓発作や脳を損傷した患者の体温を1時間に1度ずつ、32~34度にまで下げる「治療的低体温」と呼ばれる医療技術だ。「Spaceworks」社は、この技術を応用し、数カ月単位で搭乗員を低体温状態におくことが目標だという。

 開発中のコールドスリープ室は、SF映画にみられるものとさほど変わらないが、いくつか技術的な違いがあるそうだ。SF映画ではしばしば、冬眠室が個室になっており、個々人の体温をそれぞれ管理することができる場合が多い。しかし、このような設備では積載量がかさんでしまうため、大人数を収容するという面でも共用冬眠室の方が現実的だという。そこで搭乗員は鼻にチューブを通され、体温を調整されることになる。だが、緊急事態に対処するため1人の搭乗員は必ずモニター係として覚醒していなければならないそうだ。

 安全上の問題から短時間のコールドスリープを繰り返すことになるそうだが、それでも宇宙空間ではいくつかの身体上の問題を引き起こすことが懸念されている。最も大きな問題は、無重力状態での骨と筋肉の退化、そして頭部の血圧上昇による視覚障害である。現在最も有力な解決策としては、微弱な電気で体中に刺激を与える「神経筋電気刺激」が挙げられている。

「Spaceworks」社は、2018年から動物実験を開始し、それから段階的に人体実験や国際宇宙ステーションへの導入を経て、宇宙船に実装される予定だ。SF作家の想像力が実現する日もそう遠くないかもしれない。
(編集部)


※イメージ画像は、「Thinkstock」より

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