【歴史的偉業】67歳おじいちゃんが数学上の未解決問題を“歯磨き中”に解決! 徹底解説「ガウスの相関予想(GCC)」

【歴史的偉業】67歳おじいちゃんが数学上の未解決問題を“歯磨き中”に解決! 徹底解説「ガウスの相関予想(GCC)」

 半世紀にわたって世界中の数学者を苦しめてきた超難問「ガウスの相関予想(以下GCC)」の簡単な解決方法をおじいちゃん(67)がお風呂で歯磨き中に「思いついてしまった」とのニュースが飛び込んできた!


■数学最難問の1つ「ガウスの相関予想」が解決される

 そもそも「GCC」(または「ガウスの相関不等式(GCI)」)とは一体どんな問題なのだろうか? 専門外の素人では聞いたことさえない問題だが、実は幾何学、確率論、統計学の分野をまたぎ、まだ証明が得られない数学的超難問として半世紀にわたり君臨してきた予想だという。それを今回、ドイツ人数理統計学者トーマス・ローエン氏が、“お風呂で歯磨き中”に“ぼーっと考え事をしていたら”解けてしまったというから驚きだ。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2017/04/post_12877.html】

 日本語の情報がほぼないため、正確な記述は困難を極めるが、英紙「Daily Mail」(4月5日付)の記事を参考にローエン氏の偉業をわかり易く解説してみよう。

 GCCのもととなった命題は1950年代に初めて提唱され、1970年に現在知られている形へとまとめられた。これを数学的に表現すると、「尾平均値が0の任意のn次元ガウス測度μとn次元ユークリッド空間の任意の対称な凸部分集合A、Bに対して、μ(A∩B)≧μ(A)×μ(B)が、成り立つ」となる予想である。ガウス測度とは、我々が通常“確率”と呼ぶ「確率測度」を満たす測度のことだが、専門的になるのでざっくり確率のことだと思ってもらいたい。

 それにしても、このままではなんとも抽象的で分かりにくい。ダーツを例にとって簡単に考えてみよう(ダーツを例にとるのはガウス測度を満たす正規分布を作るためだが、細かいことは省略する)。 (下図参照:n=2、A:円板、B:長方形の板)。

 このように長方形の板の上にダーツの円盤を置いた場合、先ほどの不等式は次のように翻訳される。

「的にむかってダーツを投げた時、円板と長方形の板との重なった部分に刺さる確率は、円板だけに刺さる確率と長方形の板だけに刺さる確率の積以上になる」

 一体どうしてこの不等式が成立すると思ったのか皆目検討もつかないが、予想されてしまったのだからしょうがない。この問題は一般的に現代の解析学で取り扱われるが、ローエン氏は古典的な統計学の手法を用いて解決してしまった。さらに彼のすごいところは、元の予想よりも一般化された問題へと拡張した上で、解決してしまった点だといえるだろう。通常、ある問題を一般化するとより複雑になるものだが、もともとGCCで予想されていた問題をより一般化することで逆に見通しが良くなったということだ。証明方法も実にエレガントなもので、たった数ページの論文におさまったという。

 ただしダーツの例は、n次元であるものを2次元で表現し、任意である凸集合を円板と長方形の板というもので考えたものなので、ローエン氏が証明したものとは厳密には異なる(ローエン氏が解決した問題の方がはるかに難しい)。


■歯磨きだけではない!数学者たちの驚きのひらめき術

 これほど抽象的な問題を、ローエン氏は歯磨き中に「思いついてしまった」というから実に“数学者”らしい。しかし、非専門家の予想に反し、数学者が着想を得るのは、なにも机に向かって頭を抱えている時だけではく、意外なことに「何も考えていない」時が多いようで、偉大な数学者らも数々の証言を残している。

 20世紀最大の数学者と呼ばれるポアンカレは「数学の仕事のことなどすっかり忘れて、乗合馬車のステップに足をかけたとたん着想が浮かんだ」と言い、素数定理を証明したアダマールは「それまで何日かの試みとは全く関係ない、それまでの意識的仕事とは無縁のアイデアがいささかの考える時間もなく、目を覚ますと同時にあらわれた」と語り、この予想に名を冠するガウスは「それはわたしの苦心のたまものではなく、神のおぼしめしによるものだ。不意の閃光のように謎はとけてしまった。わたしが以前に知っていたことと、わたしの成功を可能にしたものを結びつけた糸がなんであったか、わたし自身わからない」と問題解決の瞬間を振り返っている。

 数学者らの突然のひらめきはどこからやって来るのだろうか? そのヒントとなるのが、脳のアイドリング状態といわれる「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」だ。DMNは、ひらめきに大きくかかわると言われており、入浴中、トイレ、ベッドの中でアイデアが浮かびやすいのはそのためだと言われている。数学者ではないが、あのビル・ゲイツ氏も食器洗いが大好きで、毎日進んで自ら行っているそうだ。

 ローエン氏の脳も歯磨き中にアイドリング状態に入り、それまで蓄積された情報が無意識のうちに整理さたことで、意識的に考えていなかった解決法が「不意の閃光」のように現れたのだろう。

 また、積み重ね型の学習を基本とする人工知能と人間のひらめきとの違いがここにあると見ることもできる。ある学習された型を異なる状況にあてはめることが現状の人工知能では非常に難しいと言われているからだ。ローエン氏のように、本来は現代解析学で説くべき問題に対し、古典的な統計学の手法をあてはめて考えることは極めて人間的な知性が働いたといえるかもしれない。

 かつて、高名な数学者G・Hハーディは「数学は若者のゲームだ(Mathmatics is a young man's game)」と言ったが、ローエン氏の業績は彼が67歳のときのものである。むろん、若者というには歳をとりすぎているだろう。しかし耳順を超えて初めて、ガウスのように数学の神の声に耳を澄ますことができたのかもしれない。数学は若者だけのものではないようだ。
(編集部)


※イメージ画像は、「Thinkstock」より

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