「ハッピーバースデートゥーユー」と皆で歌い、最後にバースデーケーキに飾られたろうそくの炎を吹き消す――。世界中でおなじみの誕生日を祝う光景だが、この習慣について衝撃的な論文が発表された。なんと、ろうそくに息を吹きかけて消すと、ケーキに大量の微生物が付着し、その数はおよそ14倍に増えるというのだ。この研究は英「Mail Online」などで報じられ、話題となっている。
【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2017/08/post_14034.html】
■起源は古代ギリシャ
バースデーケーキにろうそくを灯して吹き消す習慣の起源は、なんと古代ギリシアにまでさかのぼるのだという。女神アルテミスの寺院に、火を灯したろうそくを飾ったケーキを捧げたことが始まりだったといわれている。ろうそくから出る煙は信者たちの捧げた願いと祈りを神に届けると考えられていたのだ。また、バースデーケーキに年齢の数だけろうそくを立てる習慣も、18世紀のドイツにはすでに存在しており、ニコラウス・フォン・ツィンツェンドルフ伯爵の誕生日を祝うために行われたという記録が残っているそうだ。
■偽ケーキを使って実験
今回の研究を行ったのは、米・クレムソン大学の教授ポール・ドーソン氏のチームだ。ドーソン氏は、娘の誕生日を祝うディナー中にこの実験のアイデアを思いついたという。
実験では、直径約15センチメートルの丸い発泡スチロールの上に冷やしたアルミホイルを敷き、17本のろうそくを立ててバースデーケーキに見立てた。被験者は誕生日のディナーを模した熱いピザを食べてから、ろうそくの炎が全て消えるまで息を吹きかけた。そしてアルミホイルを回収し、付着した微生物の量を測定した。
結果、息で炎を吹き消したサンプルからは、そうでないサンプルより平均で1400%以上微生物が増加していた。中には12000%、つまり120倍(!)もの微生物が検出されたサンプルもあったという。チームでは、他の人より微生物を付着させやすい人もいるのではないかと見ている。
■病気になることはない!?
なんとも嫌な実験結果であるが、ドーソン氏によれば誕生日パーティを台無しにするほどのものではないという。誰かが炎を吹き消したケーキを食べたところで、それが原因で病気になるようなことはまずない、というのがドーソン氏の見解だ。人間の口の中は微生物で一杯だが、ほとんどは有害なものではない。もちろん、インフルエンザなどの感染症にかかった者が炎を吹き消すことはやめたほうがよいが、ほとんどの場合は問題ないとのことなので、あまり神経質になるべきではないだろう。誕生日はおめでたい日なのだから。
ちなみにドーソン氏は以前、チップスにディップを二度づけする行為も検証している。日本人にも身近なところでいうと、串カツの二度づけは衛生的か否かというようなテーマだ。こちらの研究では、二度づけは感染症を広げるリスクがあると結論づけている。バースデーケーキの炎を吹き消すのは良いが、二度づけは許されない。
(吉井いつき)
※イメージ画像:「Thinkstock」より
当時の記事を読む
-
映画『エイリアン』出演俳優がガチ・エイリアンを目撃していたことが判明!「巨大宇宙人に遭遇した。妄想ではない」
-
【ガチ】核戦争が起きたら「ヘアコンディショナー」を絶対に使用してはいけないことが判明! 北朝鮮ミサイルの標的グアムが「11のマニュアル」公開
-
【衝撃】古代エジプトのファラオは正真正銘の“巨人”だったことが判明!! ピラミッド建造は「巨人の体格に合わせた」可能性(最新研究)
-
【冤罪濃厚だった死刑囚】無念すぎる…235通の書簡から“恐怖の凄絶獄死”全容が判明! シベリア帰りの富山常喜の苦しい生涯
-
月には膨大な量の水があることが判明! 過去の火山活動、バラ撒かれたガラスの粒… 想像を超える月の“本当の姿”とは?(最新研究)
-
【緊急警告】8月8~22日、関東(茨城県沖)で巨大地震発生か!? 皆既日食、月の位相、7の倍数… 過去データが示す“恐怖のリンク”で判明!!
トピックス
もっと読む
-
非光合成細菌にも体内時計があることが判明(ドイツ研究)
非光合成細菌にも体内時計/iStock体内時計(概日リズム)と呼ばれる仕組みは、眠りや代謝、さらには認知機能まで、事実上ありとあらゆる体内のプロセスを調整している。そうしたほぼ24~25時間のリズムは...
-
「リベンジポルノ」消しても消しても拡散される、被害者の半数以上が自殺を考えたことがあると判明
女性を深く傷つける「リベンジポルノ」や「セカンドレイプ」が欧米でも問題となっている。(フロントロウ編集部)リベンジポルノとはテクノロジーの発展によって、携帯電話などによって簡単に個人が写真や映像を撮影...
-
【ショック】犬はお腹を撫でられるのを楽しんでいないことが判明! 動物学者がガチ指摘「人間が喜ぶから耐えているだけ」
最近はネコに人気を押され気味ではあるが、イヌは間違いなく人間のベストフレンドである。仰向けに寝転んだイヌのお腹をなでるのが至福の時間という飼い主の方も多くいらっしゃるだろう。だが、そんな時、もしかする...