
現在、世界中の原子炉は“核分裂反応”を用いたものが使用されている。もちろん、福島第一原発で使用されていたのも核反応炉だ。東日本大震災に伴う、福島第一原子力発電所事故で日本人が痛いほど思い知ったように、核分裂反応では連鎖反応が起こり、暴走が生じる場合がある上、高レベル放射性廃棄物が継続的に生産される。
■核融合炉実現に向けMITが実験に成功
そこで注目されているのが、太陽がエネルギーを放射する原理を用いる“核融合炉だ。原理的に暴走の危険がなく、放射性廃棄物があまり生じないと言われ、次世代の「クリーンエネルギー」として期待されている。
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この度、全世界が待ちわびる核融合炉が、また一歩完成に近づいたとのニュースが舞い込んできた。「MIT News」(8月21日付)によると、米・MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究者らが、核融合を効果的に引き起こす新しいタイプの高温プラズマを発見し、同研究が有名科学ジャーナル「Nature」に掲載されたというのだ。
詳細を見る前に、核融合炉におけるプラズマの役割を理解して頂く必要があるだろう。文部科学省HPが公開している、核融合炉の解説を引用しておく。
「核融合の燃料としては、軽くて燃えやすい水素の同位体である重水素と三重水素(トリチウム)を用います。重水素と三重水素の原子核を融合させると、ヘリウムと中性子ができます。このとき、反応前の重水素と三重水素の重さの合計より、反応後にできたヘリウムと中性子の重さの合計の方が軽くなり、この軽くなった分のエネルギーが放出されるのです」
「核融合反応を起こすためには、重水素、三重水素の2つの原子核同士を毎秒1,000キロメートル以上のスピードで衝突させることが必要となります。この状態を生み出すため、加熱装置を用いて1億度以上の高温プラズマを作ります」
核融合を起こすためには高温プラズマが欠かせない。だが、2つのイオン種、“重水素と水素”、“重水素とヘリウム3”のペアを用いるこれまでの実験では、高圧力プラズマの保持は難しく、保持のために投入するエネルギーに比較して反応により得られるエネルギーはまだ小さかったそうだ。
そこで、MITが所有する「Alcator C-Mod」というトカマク型の融合路で行われた今回の実験では、重水素・水素・ヘリウム3の3つのイオン種を使い、ヘリウム3にプラズマのエネルギーを集中。そうすることで、これまで以上に高温のプラズマが発生、核融合を活性化することに成功したという。今回の結果を受け、ヨーロッパ最大の融合炉を持つJETも追試を行うことを発表したそうだ。
福島第一原子力発電所事故の傷が癒えぬ今、原子炉関係の話題はなにかとはばかられるが、核融合炉の建設を目指す我が国にとっても、決して他人事ではないニュースだろう。このまま化石燃料への依存を続けるか、核融合炉にシフトするか、はたまた、その他の再生可能エネルギーに大きく舵を切るのか、今後の日本のエネルギー事情から、ますます目が離せなくなりそうだ。
(編集部)
※イメージ画像は、「Thinkstock」より
もう実験で成功の記事はいらない。早く実用化してよ。
[究極の無限クリーンエネルギー]て。ヘリウム3の量を考えて書けよ。月から取ってくるのか?あとトカマク型の融合”路”じゃなくて融合”炉”な。校閲担当者は仕事しろw