【ロシア元スパイ重体】謎の猛毒を専門家が緊急解説!“未知の神経ガス”か… 旧ソ「暗殺研究組織」や人体実験の過去も!

【ロシア元スパイ重体】謎の猛毒を専門家が緊急解説!“未知の神経ガス”か… 旧ソ「暗殺研究組織」や人体実験の過去も!

 ロシアで神経ガスを使った暗殺未遂事件が起こりました。

 今月7日の報道によれば、イングランド南西部のソールズベリーで今月4日に意識不明で見つかったセルゲイ・スクリパリ氏(66)と娘のユリアさん(33)に神経剤が使用されていたたと、英国警察が発表しました。セルゲイ氏はロシアの元スパイだった過去がありました。2006年にはアレクサンドル・リトビネンコ氏のポロニウムによる不審死事件もあり、ロシアの暗殺部隊による仕業ではないかと話題になっています。

 政治的な話はともあれ、今回はロシアの化学兵器について、さっくりとまとめておきましょう。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2018/03/post_16256_entry.html】

●神経ガスの同定

 サリンやタブン、ソマンといったドイツが開発した(けど使っていない)合成神経毒を皮切りに、イギリスとアメリカが完成させたVXガス……。今回はその痕跡や、ロシア独自のまだ知られていない毒物の可能性についてお伝えしましょう。

 神経ガスの多くでは、被害者の体内で分解物が生じます。この分解物を調べることで、使われた毒物を分析することができます。

 神経ガスは、アルカリ条件下では特にスピーディーに分解していきます。それは体内であっても土壌中であっても変わりません。なので、土壌や血液サンプルなどをとっておくことで、使用された毒物を特定することができるわけです。

 この図では、有機リン系の毒ガスが体内で分解して生じる一例を示しています(実際は数十の分解パターンがあります)。これらの分解物が血中にごくごく僅かでも残っていれば、大半の毒物は現代の分析技術で見分けることができます。分子構造が分かっているもので、体内に天然では存在しない物質だとより確実です。
 
 この図でも分かるように、分解が進みすぎると、使われたのがVXなのかサリンなのかという違いがなくなっていきます。そのため、可能な限り初期の血液サンプルを確保し、分析を急ぐ必要があります。
 
 今回、現地警察はすでに毒物を同定しているとのことです。数日で使用された毒ガスの分析が済んだということは、既存の毒物である可能性が高いと言えます。
 
 イギリスにはポートンダウン研究所という化学兵器の研究所があり、VXの発明がなされたことでも知られています。過去には膨大な人体実験を行っていました。皮肉にも今回、その研究結果が毒物の同定に役に立った可能性は濃厚と言えます。

 しかし、ロシアにはまだ公にはなっていない神経ガスがいくつかあると言われています。亡命した旧ソビエトの化学者らが断片的に情報をもたらしています。

●未知のロシア製神経ガス

 現在情報がもたらされているロシア(旧ソ連)の神経ガスとして、VRとノビコックという物質が知られています。VRガスは分子構造を見て分かるように、非常にVXガスと類似した構造をしており、毒性も実際非常に近いといいます。

 ノビコックシリーズという神経ガスはちょっと上位的な構造をしており、毒性はVXよりもさらに数倍強く、また効果時間が早いとも言われています。ですが、実験例や実践例がないため、詳細は一切不明です。

 ロシア(旧ソ連)には、半世紀前の段階で相当量の新型化学兵器を開発していた過去があります。1921年、諜報員のPavel Sudoplatovと医学教授Ignatii Kazakovの主導により、諜報機関によってソ連の最初の毒物研究所が立ち上げられて以降、数多くの組織が作られました。

 ソ連時代にはKamera(カメラ)という暗殺用毒物の研究組織などもあったといいます。ソビエト崩壊後もその技術はしっかりと残っているようで、過去の事件ではポロニウムなどの極めて扱いにくい毒物を暗殺用にアレンジしています。ロシアが独自の技術を持っている可能性は濃厚でしょう。

 今回の毒物事件で使われた毒物は、果たして本当に既存の毒物だったのか? それとも多少のアレンジ、ないしは露骨にロシアと分かる分子構造が判明したのか? 今後の発表に期待したいところです。
(文=くられ)

イメージ画像:「Thinkstock」より

あわせて読みたい

TOCANAの記事をもっと見る 2018年3月9日のびっくり記事
この記事にコメントする

\ みんなに教えてあげよう! /

新着トピックス

びっくりニュースアクセスランキング

びっくりランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る

おもしろの人気のキーワード一覧

新着キーワード一覧

このカテゴリーについて

世界のびっくり事件や仰天する出来事などついつい気になる情報をお届け中。