富士の樹海、孤独死、ゴミ屋敷…村田らむ氏が“死とゴミ”を語るインタビュー!

富士の樹海、孤独死、ゴミ屋敷…村田らむ氏が“死とゴミ”を語るインタビュー!

 漫画家・ライターとして活躍する村田らむ氏が、このたび『樹海考』(晶文社)を発表した。20年以上も樹海を自分の足で歩き、取材を続けてきた樹海の第一人者である。今回は、樹海で体験した怖い体験を披露と、現在、追い続けているテーマであるゴミ屋敷や孤独死について語ってもらった。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2018/07/post_17624_entry.html】

■樹海と殺し屋

――村田さんが樹海で1番怖かった体験といえば何でしょうか?

村田 いわゆるこの本にも書かれている読みどころという点で怖い話をすると「殺し屋と一緒に樹海に入ったこと」ですね。雑誌の編集部がセッティングした企画だったんですが、その人は暴力団関係の方で、組のなかで拷問や殺人を担当していたんです。なので、人殺しを何とも思っていない方でして……。


――樹海で殺し屋と2人きりにさせられたと新著に書かれていました。

村田 そうなんです、ひどいですよね。殺されやしないとは思うけれど、やっぱり怖いですよ。企画の中で、その方に首を締められるフリをさせてもらったんですが、けっこうガチで締めてきましたね。

――殺人者と接したのは、それが初めてですか?

村田 いえ、裁判の傍聴席で見たこともありますし、実際に会ってインタビューしたこともあります。たぶん、5~6人は会っているのかな。ですが、何人もの人を殺して堂々としていた人は初めてでした。


■殺人者に共通する特徴 目がおかしい

――殺人者の特徴って何かありますか?

村田 人殺しをした人は、目がおかしくなりますね。紗が掛かるというか、目にすごく特徴が出るんです。モザイクがかかっているという表現では大げさかもしれませんが、目の部分がぼやけて影があるように見える人が多かったです。なので、そのようなたぐいの目をしている人に会うと、「人殺しをしたことあるのかな?」と思うことがありますよね。

 きっと、人を殺したことで何かが変わるんだと思います。故意ではなく結果的に人を殺してしまった人もそうなのかはわかりませんが、意図的に人を殺したら、何か変わりますよね。人殺しって、命の価値をなくす作業じゃないですか。だから結果として自分の命の価値もなくなると思うんですよね。その変化は大きいと思います。


■樹海の散策から孤独死へ

――ここまで、樹海のことについていろいろ語っていただきましたが、今後、追いかけていきたいテーマとかありますか?

村田 樹海の自殺死体に限らず、死についてはもっと探求したいと思っています。中でも今は「孤独死」を追いかけていますね。事故物件の情報提供サイトを運営する大島てるさんや、事故物件住みます芸人の松原タニシさんとかと仕事をすることが多くて、孤独死による事故物件などに触れる機会も多いんです。


――死をテーマに追い続けるということなんですね。

村田 死をテーマにしたものは、ちょっと感傷的なものが多いと感じます。僕としては、「死んじゃってもいいじゃない。自殺してもいいじゃない。孤独死してもいいじゃない」というスタンスなんです。もうちょっと肩の力を抜いた感じで死のことを書きたいと思っています。


――死を否定せずに肯定するという方向なんでしょうね。

村田 肯定までいかなくても「事実はこういうものだ」と示したいです。あとは、孤独死以外にゴミ屋敷もかなり長い期間追い続けています。


■ゴミ屋敷の住人になる理由

――ゴミ屋敷に住む人の心理とはどんなものなのでしょう。

村田 いろいろありますけれど、病気の人も多いですね。能力的に片付けができないんです。


――寂しいからゴミを集めるという人もいます。

村田 それはご病気ですよね。老人性の認知症の症状の場合もあります。


――片付けられないのは、先天的なものなのでしょうか? それとも、後天的なものなのでしょうか?

村田 老人性のものは、後天的ですね。年を取ってから認知症になって、片付けられなくなっていきます。若い人でいえば、大学生でゴミ屋敷になるケースがあります。大学に上がるまで勉強ばっかりしているような子が多いですよね。大学に受かって田舎から上京して、急に1人暮らしを始めるんです。それでゴミ出ししたら、大家さんとかに「分別が悪い」とか怒られたりすると、ゴミ捨てが怖くなってできなくなる。それで、ゴミが部屋の中にどんどん溜まっちゃうんです。


――でも、その地域のゴミの分別方法に従って捨てればいいだけのようにも感じますが。

村田 分かっていてもゴミ捨てをできない人はいるんですよね。分別が楽な地域やマンションに住んだほうがゴミ屋敷にはなりづらいですよ。


――それ以外に、ゴミ屋敷になる要素ってあるんでしょうか?

村田 職業で言えば、ナースにすごく多いですね。私がみた限りですが、ナースは多忙なので生活がめちゃくちゃになってゴミ屋敷になりやすいです。24時間体制の病院に働いているナースとかは、心身共にバランスを崩している人が多かったりします。大変ですよね。


■孤独死する人の大半がゴミ屋敷

――では今、村田さんが追いかけているのは、樹海、ゴミ屋敷、孤独死ということですね。

村田 ゴミ屋敷の清掃の取材をしていたら、孤独死の現場の取材に繋がりましたね。その後に、吠夢さんという漫画家さんが孤独死して、それをTOCANAに記事として書きましたけれど。

(吠夢さんの記事はこちら:ゴミ屋敷で孤独死した漫画家が残した遺作『生ポのポエムさん』が訴えた生々しいフリーランスの現実)


――孤独死する人はだいたいゴミ屋敷だというパターンがあると聞いたのですが。

村田 そうなるのはわかりますよ。孤独死する人は1人暮らしで心身共に死んじゃうぐらいの悲惨な状態になるわけですから。死ぬ間際は部屋をちゃんと片付けることもできなくなるわけです。僕の知人の30代の女性のお父さんがこの間、孤独死しちゃったんです。女性が中学生の時、両親が離婚して、お父さんがDVだったので女性はお母さんに引き取られた。それから、ずっとお父さんとは縁が薄くなっていたんです。ですが、お父さんが孤独死で見つかったので「どうする?」となってしまった。


――それは切実な問題ですね。

村田 切実な問題ですよ。なぜかというと、縁を切って相続放棄すると荼毘に付すまで警察が全部やってしまうのでなんの関わりも持てなくなってしまう。


――でも、もしお父さんに借金あるんだったら縁切ったほうがいいですよね。

村田 借金があったら借金があるとわかった時点で縁を切ることはできる。だが、プラスの財産があるかないかを調べることができないらしい。だから、「どうする?」となった時に女性から相談を受けたんです。

 お父さんが孤独死した家は、もともと女性の両親が離婚するまで住んでいた家だったんです。なので、「お父さんが孤独死した家に大切な物もあるかもしれないから、とりあえずOKしたら」と僕は無責任なアドバイスをしました。

 そして、女性のお父さんが孤独死した現場を結局、僕も取材したわけです。


――遺体は撤収されたんですよね。でも、匂いとかはしなかったんですか?

村田 そんなに臭くなかったですね。お父さんはめちゃくちゃタバコを吸う方で、そこで50年住んでいたわけです。なので、50年分のタバコの匂いとおっさんの匂いのほうがキツイぐらい。結局、遺産は100万円足らず。火葬代や部屋の清掃代とかを差し引いたらほとんどお金は残りませんでしたね。今は骨壷の骨をどうしようか困っています。墓に入れたら完全に赤字ですし。貯金は200万円くらい残しておかないと、片付けてくれた人に嫌われちゃうかもしれませんね(笑)。


■孤独死とアルコール

――孤独死は自殺が多いんですか?

村田 自殺は孤独死とは言いませんね。孤独死は孤独死、自殺は自殺なんです。孤独死の場合は、アルコールが原因であることが多いですね。たとえば、お酒を飲んで酔っ払ってそのまま凍死するとか、本当にあるんです。


――孤独死する方には、アルコール依存症の方が多いのでしょうか。

村田 そうですね。亡くなった女性のお父さんも毎晩飲む人だったそうです。それで酔って家族に暴力を振るっていた。それが原因で離婚をしたそうですから。


――酒は、ろくでもないですね。犯罪の温床にもなっていますし。

村田 お酒はろくでもないですよ。毎晩飲む人は、確実に不健康になっています。70歳ぐらいまでは意外と元気でいられるけれど、それを超えると、体の具合が悪くなって病院通いが始まりますね。といいつつ、僕も飲みますけどね(笑)でも、樹海で死ぬ人に関して言えば、几帳面な人が多いと思いますね。


■樹海で自殺する理由とは?

――なぜ、そう思うんですか?

村田 別に自宅で死んでも自殺スポットで死んでも死ぬことには変わりがないのに、わざわざ山梨くんだりまで足を運んで自殺するなんてとても面倒なことですよね。自殺は自殺スポットでするものだ、と思ってるのってとても几帳面な人じゃないですか? 彼らにとって、樹海で死ぬのは切腹のような儀式的な行為なのかもしれません。

――では、村田さんは、樹海で死にたいと思いますか?

村田 そうですね。たとえばこんなことは考えますよね。樹海で自殺してから一週間後にメール送信できるように設定して、僕が死んでいる場所の緯度経度を知り合いの死体マニアに教えてあげるんです。「ちょうど良い腐乱時期だよ」って(笑)。

 ゴミ屋敷から孤独死までよりディープで現代が抱える闇を取材する村田氏。そして、誰もが暗く考えがちな死を新たな視点で取り上げようとしている。今後、村田氏によって描かれる新たな死の価値観を目の当たりにするのが楽しみである。
(取材・文=白神じゅりこ)

画像:撮影・村田らむ

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