52歳ヘヴィメタル界の超問題児・屍忌蛇の“爆裂”インタビュー! 4歳で飲酒、歌舞伎町で暴動、ギターがなければただのクズ!?

52歳ヘヴィメタル界の超問題児・屍忌蛇の“爆裂”インタビュー! 4歳で飲酒、歌舞伎町で暴動、ギターがなければただのクズ!?

 屍忌蛇(しいじゃ)という男をご存知だろうか? 高知県出身の52歳。日本のヘヴィメタル界を代表するギタリストのひとりなのだが、酒癖が悪くて舌禍が絶えず、業界屈指の問題児としても名を馳せているという。そんな彼に、恐る恐るインタビューを敢行。酒と女とトラブルと、霊体験に満ちた半生に迫る!

 夜の歌舞伎町界隈では「屍忌蛇がまたやらかした」という噂話をよく聞く。酔うと周囲に絡むほか、SNSや電話を駆使して関係者をディスりまくる悪癖があるのだ。記者はまったくの無関係者だが、去年、たまたま酒場で隣り合わせてしまい、初対面の屍忌蛇から因縁をつけられた末にスリーパーホールドをかけられ、失神しかけたことがある。
 
 今回、そんな屍忌蛇が取材オファーを快諾してくれたのはいいが、彼にはマネージャーがいないという。つまり、自己管理が肝となるのだが、インタビュー中に機嫌を損ねて暴れ出しやしないか。そもそも取材の日時を覚えているのかどうか。何かと不安は尽きなかった。

 ところが、約束の時間の45分前に、待ち合わせ場所のロックバーに屍忌蛇がふらりと現れたから驚いた。どんなに勤勉なサラリーマンでも、こんなには早く来ないだろう。屍忌蛇、めちゃくちゃしっかりしているではないか!

 そう安心したのも束の間、彼の第一声を聞いて、再び不安に襲われた。

「実は僕、1日フライングして、きのうもここに来ちゃったんですよ(笑)。いつまで経っても誰も来ないから、おかしいなと思って方々に問い合わせたら、『取材は明日だよ』と指摘されて、勘違いに気付きました」

 仕事に対する前向きさと、自己管理の杜撰さを同時にさらけ出しながら着席した屍忌蛇は、店員に向かって「コーラください」とオーダーした。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2018/08/post_17747_entry.html】

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――あれ? お酒は飲まないんですか?

屍忌蛇 もうやめようかな、と思って。酒を飲むと、次の日が無駄に終わっちゃうし、SNSで暴言を吐いちゃうから。よくね、僕がSNSでミュージシャン仲間をディスっちゃって、そいつらから電話がかかってきてね、「てめえ俺のことをディスりやがったな、この野郎!」とか言われるわけですよ。「すまん、覚えてない。俺はどうすりゃいいんだよ」「謝れよ」「すまんね」「ほんならええけど」というやりとりを何度したことか。

――そこで喧嘩は終わるんですか?

屍忌蛇 女の喧嘩じゃないのよ。向こうもわかってるもん。だって僕が酔ってないのに「アイツしばいたるわ」なんて言うわけないもん。「お前、俺のこと嫌いじゃないだろ?」「当たり前やんけ」「ほなええわ」で終了ですよ。

――なぜ嫌いでもない人を攻撃するのでしょう?

屍忌蛇 ほとんど記憶にないんだけど、酔うと、指が勝手に動いちゃう。心にもない攻撃的な言葉が、むくむくと湧き出てくるんですよ。たまに本当に嫌いで書く時もあるけど(笑)。

――VOLCANOのメンバーとは、うまくいっていますか?

屍忌蛇 うまくいってる。バリバリに。どのメンバーも100回以上クビにしてるけどね(笑)。酔うとSNSで「てめえクビだ」って宣告しちゃう。でもみんなわかってるから、「あ、出た」って思うだけ。僕のトラブルの大半は身内のジャレ合いみたいなもんですよ。

――酒乱が原因で大家と揉めて、マンションから放り出されたという噂を聞いたことがありますが。

屍忌蛇 ああ、3年前まで住んでた家の話ね(笑)。酔って帰ったら、自宅マンションの前にある自販機に、ハゲのおじさんがドクターペッパーを補充してたんですよ。「おいジジイ、こんなの誰が買うんだよ。まずいんだよハゲ!」と言ったのは覚えてる。そしたらその晩、大家から電話がかかってきて、「今朝キミがいちゃもんをつけた相手は、ウチの息子だから」と言われてビックリ仰天ですよ。「謝っといてください大家さん」と言ったけど、「いや、もう無理だよ。『あの金髪をどうにかしろ!』と息子から強く言われたから」ってことで、強制退去になっちゃいました。年末だったから、次の家を探すのに苦労したなぁ……。

――自業自得ですね(笑)。屍忌蛇さんの飲酒歴は?

屍忌蛇 4歳から。ほら、土佐の出身だからさ、周りの大人が子どもにも飲ませるんですよ。僕は小学生の頃から、二日酔いになってよく保健室で寝てましたから。

――屍忌蛇さんは少年時代、不良だったんですか?

屍忌蛇 ギターを始めたばかりの中3の頃に横浜銀蝿のコピーとかはやったけど、いわゆるツッパリじゃなかったです。当時は坊主頭だったしね。高校に入ってからはマイケル・シェンカーやラウドネスに夢中になって、どんどんギターにのめりこんでいったけど、不良じゃなかった。僕、小学校でも高校でも生徒会長をやってたぐらいだから。

――へえ、それは意外です。

屍忌蛇 父親が教師で、母親が役所の職員という家庭に育ったから、両親を喜ばせるためにいい子ぶってただけなんだけどね。僕、一応は大学も出てるし、教員免許も持ってるんですよ。ところが、2週間ある教育実習のうち10日ぐらいを二日酔いで遅刻したから、教師は向いてないと悟って、音楽の道に進んだというわけ。

――親から反対されませんでしたか?

屍忌蛇 在学中にGargoyleってバンドで人気になって、「ロッキンf」とか「GIGS」とか「バンドやろうぜ」とかの雑誌にも出るようになってたから、親としては「もう少しやらせてあげよう」って感じだったんじゃないかな。でもまさかこのトシになっても音楽を続けてるとは、僕自身も思ってなかったけどね。

――ここまで続けてこられた秘訣は?

屍忌蛇 根性かな。みんな、やめちゃうでしょ。これじゃ食っていけないと。でもね、ミュージシャンって、自分がどんなにつらくても、第三者に勇気を与えないとダメなのよ。音質やテクニックうんぬんじゃなく、勇気を与える音じゃないとダメ。一般のサラリーマンの方も、みんなそれぞれ人に言えない悩みを抱えてるだろうけど、僕は彼らにこう言いたいね。「大丈夫だよ、気にすんなよ。空はいつまでも曇ってないぜ」と。僕はそう信じて生きてきたし、そういう音楽を作ってきたつもり。酔っ払って人に迷惑をかけた時は「俺って最低だな。こんな世界にいるからダメなんだ。俺がちゃんとしたサラリーマンだったらこんなトラブルもなかったのに」と思うけど、24時間後には忘れてる(笑)。だって、いろんなことがあるから人生じゃないですか。悪いことがあれば、いいこともある。僕が誰かと揉めたり、なんやかんやあって死んだとしても別にいいの。みんなを幸せにできればね。

――屍忌蛇さん、今はシラフですよね?

屍忌蛇 うん。今日はね、VOLCANOの新譜『DARKER THAN BLACK』が出たばかりだから、CDショップの販促イベントに行ったり、このほかにも取材を受けたりと、仕事の1日だったんですよ。そういう日は飲みません。ちなみに酔っ払ってステージに立ったこともないよ。だって、お客さんから何千円も取るわけでしょ。モトリー・クルーじゃないけど、酔ってまともに演奏できないってのはダメ。アイドルは一生懸命でしょ。あれを見習わないと。

――シラフだと、まともなことを言うんですね。

屍忌蛇 普段はダメ人間だけど、こういう時はちゃんとしてるでしょ?(笑) すいませーん、コーラおかわり!

――ところで、屍忌蛇さんといえば、「今からやぞ!」というキャッチフレーズが有名ですが、あれはどういう経緯で生まれた言葉なのでしょう?

屍忌蛇 Twitterで悪口を書いてたら、「屍忌蛇劇場の始まりだ」みたいな感じでファンがざわつき始めたんです。ところが僕も人間だから、書いてる途中で1時間ほどうたた寝しちゃって(笑)。それを誤魔化すために「寝てたと思っただろ。今からやぞ!」と書いたのが始まりですね。全然深い意味はない。それを無理やりこじつけて、人生つらいことがあっても今から頑張ればいいじゃないか的に使ってたら、いい言葉として定着しただけです。

――酔って暴力沙汰を起こしたことは?

屍忌蛇 昔は喧嘩っ早かったから、いろいろあったけど、済んだことだから話したくない。また蒸し返すのもあれだから。言える範囲の昔話を言うと、歌舞伎町の養老乃瀧で当時付き合ってた彼女と飲んでたら、サラリーマンが「おい、そこの金髪!」って絡んできたのね。でもその日は彼女の誕生日だったから、騒ぎを起こしたくなくて無視してたの。そしたらそのサラリーマンが「てめえ」つって僕の髪の毛を引っ張って、「この金髪はなんだと聞いてるだろ!」と。そこで僕がどうしたのかというと、サラリーマンのネクタイをギューッと引っ張って締め上げて、そいつの耳元で「てめえのネクタイと一緒じゃ!」と叫んでやった。「どういう意味だ」と聞いてきたから、「ロックの正装じゃ、アホンダラこら!」と。彼女もサラリーマンも感動してましたよ。

――格好いい話じゃないですか。

屍忌蛇 二十代の頃の話ですよ。最近はSNSで暴言を吐くことはあっても、酒場で暴れるようなことはまずないですね。

――実は僕、去年この店で、初対面の屍忌蛇さんに絡まれ、首を絞められたことがあるのですが(笑)。

屍忌蛇 えっ? ホンマに?(目を丸くして) すまん、全然覚えない。それは大変申し訳なかった!

――お酒、弱いんですか?

屍忌蛇 強いか弱いかで言ったら、強い。どんなに飲んでも酒場で寝たりはしないから。飲めば飲むほど覚醒して、ギラギラしてくる。24時間を超えてても「よし、出かけるぞ!」となって、限界まで飲む。ウイスキーのストレートを48時間ぶっ通しで飲み続けられる人間は、たぶん僕しかいないんじゃないかな。水割り込みなら1週間ノンストップで飲み続けたこともあるけど、その時は8~9キロ痩せたね。その間、ほぼ何も食べなかったから。でも僕、別に酒が好きなわけじゃないんですよ。あくまで現実逃避の手段。酒が自分をダメにしてる、ってことはわかってるんだけど……。

――健康診断に行ったことはありますか?

屍忌蛇 ない。動物って健康診断に行かないでしょ。それと一緒。たとえば、がんになったとしたら、そういう運命だったんですよ。現状、特に不調もないし、生まれてこのかた風邪をひいたこともないし……って誰かに言ったら、「風邪のつらさを二日酔いのつらさが上回ってるから気付かないだけよ」と言われたけど(笑)。

――普段の生活のリズムを教えてください。

屍忌蛇 朝方までこういう店を何軒もハシゴして飲んで、家帰っても飲んで、よし今日は夜まで寝ようと思っても、安兵衛(飼い犬)に起こされて散歩に行くと、もう寝れなくなる。しょうがないから「よし、飲みに行くか」っていう繰り返し。ほかのミュージシャンは違うと思うけど、僕の生活は百姓に似てて。ここ数年は年イチでアルバムを出してるんだけど、今は収穫と出荷が終わって、やることがなくなって、去年の蓄えで生きてる状態。そういう生活のリズムが、なんか百姓に似てるなぁと思う。ちなみに今年の作物の『DARKER THAN BLACK』は美味しいですよ(笑)。


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 実際、新譜は最高の出来だ。ギターソロはすべてアドリブ。叙情的かつ攻撃的なメロディが、聴き手の魂を時に癒し、時に鼓舞する。「ギターがなければただのクズ」と評されることもある屍忌蛇だが、「ギターがあればただの天才」であることを雄弁に物語る名盤だ。古くからのファンはもちろんのこと、屍忌蛇を初めて知った読者にも是非聴いてもらいたいものである。

(取材・文=岡林敬太、撮影=ペペ)

画像:ヘヴィメタル界の問題児・屍忌蛇。バンド「VOLCANO」リーダー

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