ブラックホールの幽霊「ホーキング・ポイント」が発見! 宇宙は何度も生まれ変わる「共形サイクリック宇宙論」証明へ!(最新研究)

ブラックホールの幽霊「ホーキング・ポイント」が発見! 宇宙は何度も生まれ変わる「共形サイクリック宇宙論」証明へ!(最新研究)

 今年3月に逝去した“車椅子の天才物理学者”ことスティーヴン・ホーキング博士だが、早くもその名が“復活”を遂げている。ホーキング博士にちなんだ“ホーキング・ポイント”が先日発見されたのである。そしてこのホーキング・ポイントば、ビッグバン以前にあった今とは別の宇宙の痕跡を示すものであるという。いったいどういうことなのか。


■一代前の宇宙の“痕跡”が発見される?

 我々が今いるこの宇宙の前にも別の宇宙があったとすれば驚くばかりだが、それを示す証拠が見つかったという。その証拠こそ、故ホーキング博士にちなんで名づけられた“ホーキング・ポイント”だ。

【その他の画像はコチラ→https://tocana.jp/2018/09/post_18079_entry.html】

 英・オックスフォード大学の有名な物理学者であるロジャー・ペンローズ博士をはじめ、米・ニューヨークのSUNYマリタイム大学の数学者、ダニエル・アン教授、ポーランド・ワルシャワ大学の理論物理学者、クシシュトフ・メイスネル博士の3名が共同執筆した研究が、8月6日に学術ジャーナル「arXiv」で発表されて話題を呼んでいる。

 ペンローズ博士といえば故ホーキング博士の重要な共同研究者であり、かつて2人で「ブラックホールの特異点定理」を証明して「事象の地平線」の存在を提唱している。そして今回発表した研究でペンローズ博士は、自説である「共形サイクリック宇宙論(conformal cyclic cosmology、CCC)」が成立することを証明している。

 共形サイクリック宇宙論では、宇宙は誕生と消滅を繰り返しており、我々の今いる宇宙は前にあった宇宙の“痕跡”を残しているという。この“痕跡”はペンローズ博士たちによって“ホーキング・ポイント”と名づけられ、その存在が今回発見されたというのだ。

 ホーキング博士は“すべてを飲み込む”凄まじい破壊力の超巨大ブラックホールであっても、わずかずつではあるものの熱的な放射が行われていて、その勢力を徐々に弱めていると提唱し、その熱的な放射は“ホーキング放射”と名づけられた。このホーキング放射によって、少しずつではあるがブラックホールも縮小していき、最後は“無”に帰する。

 では宇宙にある数々のブラックホールが周囲のものを全てを飲み込んで“無”になってしまったらどうなるのか。ペンローズ博士によればその状態こそが“宇宙の終わり”であるということだ。


■宇宙の終りとは?

「宇宙が続いていくうちに、ブラックホールが全てを食べ尽くしてしまったら、ある時点で“宇宙にはブラックホールだけ”という状態になってしまうでしょう。それから(ホーキング放射によって)ブラックホールは徐々に縮小していきます」とダニエル・アン教授は科学系オンラインメディア「Live Science」に語っている。そしてどこかの時点でブラックホールは消滅し、“ホーキング・ポイント”と名づけられた“痕跡”を残すということだ。

 ブラックホールが消滅した宇宙は質量のない光子(photon)や重力子(graviton)といった“素粒子のスープ”になるという。そしてこの状態が宇宙の終わりであり、それこそが“無”である。

「この期間、質量のない重力子や光子にとっては時間も空間もないのです」(アン教授)

 時間も空間もなくなった宇宙は急激に縮小していくのだが、究極まで縮んだところでその反動で“ビッグバン”が起こり、再び新たな宇宙が誕生するということになる。

 ペンローズ博士らは共形サイクリック宇宙論をこのように説明しているのだが、これまではあくまでも理論物理学上の一説であり、証明のしようのない学説であった。


■ホーキング・ポイントは量子論的現象であり消滅しない

 しかし、ペンローズ博士によれば前の宇宙のホーキング・ポイントは宇宙の終わりと再生の過程を経ても生き残っているということだ。質量を持たないブラックホールの“痕跡”は素粒子と同じく量子論的な現象であり、宇宙の死と再生を通しても消滅することはないという。

 ホーキング・ポイントがもし確認できれば、以前にも宇宙があったことになり、共形サイクリック宇宙論を証明することにもつながる。

 そこでペンローズ博士らは実際の宇宙マイクロ波背景放射(cosmic microwave background、CMB)のデータと、まったくランダムに作りあげたCMBデータとを比較検証して、ホーキング・ポイントを特定する作業に取り組んだ。

 CMBとは天球上の全方向からほぼ等方的に観測されるマイクロ波であり、かつてのビッグバンの“余波”であると考えられている。

 もしランダムに作ったCMBデータからは一切ホーキング・ポイントが見つからず、現実のCMBデータからそれらしきものが見つかれば、それはホーキング・ポイントの実在を示唆するものになる。そしてペンローズ博士らはホーキング・ポイントをついに発見したのだ。

 ペンローズ博士は2010年にもブラックホールの“痕跡”を見つけたことを発表しているのだが、他の理論物理学者たちから懐疑的な目で見られ、単なるノイズであることを裏付ける反論する研究も発表された。はたして今回のホーキング・ポイントの発見が理論物理学の世界でどのような進展を見せるのか引き続き注目したい。
(文=仲田しんじ)


※イメージ画像は、「Thinkstock」より

あわせて読みたい

TOCANAの記事をもっと見る 2018年9月11日のびっくり記事
この記事にコメントする

\ みんなに教えてあげよう! /

トピックス

> 今日の主要ニュース > 国内の主要ニュース > 海外の主要ニュース > 芸能の主要ニュース > スポーツの主要ニュース > トレンドの主要ニュース > おもしろの主要ニュース > コラムの主要ニュース > インタビューの主要ニュース

びっくりニュースアクセスランキング

びっくりランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る

新着キーワード一覧

このカテゴリーについて

世界のびっくり事件や仰天する出来事などついつい気になる情報をお届け中。