「イグ・ノーベル賞」で最高にブッ飛んだ研究7選! 不食人間、UFO研究、予言者も受賞… 日本人が12年連続受賞の理由も!

「イグ・ノーベル賞」で最高にブッ飛んだ研究7選! 不食人間、UFO研究、予言者も受賞… 日本人が12年連続受賞の理由も!
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 9月13日、イグ・ノーベル賞の医学教育賞に、長野県の昭和伊南総合病院に勤務する堀内朗内科診療部長・消化器病センター長が選ばれたことが発表された。そこで今回は、これまでのイグ・ノーベル賞を振り返り、トカナ的視点で特に興味深いものを7つ選定してみた。また、日本人の受賞はこれで12年連続となるが、そもそもなぜ日本人の受賞がこれほど多いのかという疑問についても考えてみたい。


■イグ・ノーベル賞とは

 まずは、簡単にイグ・ノーベル賞の概要について説明しておこう。1991年に創設されたイグ・ノーベル賞は「裏ノーベル賞」とも呼ばれ、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられるノーベル賞のパロディー版。部門は多種多様で、毎年さまざまな風変わりでユニークな研究が受賞を果たしている。

【その他の画像はコチラ→https://tocana.jp/2018/09/post_18178_entry.html】

 2018年の医学教育賞を受賞した堀内センター長は、自身のお尻で座位大腸内視鏡検査法を研究した成果が評価された。大腸がん検診などで受ける内視鏡検査は通常、横になった状態で筒状の内視鏡を肛門から体内に挿入するが、かなりの痛みが伴うという。しかし堀内センター長は、座った姿勢で内視鏡を体内に入れると苦痛が少なく、驚くほど容易に検査ができることを自分自身で試して突き止めた。その結果は2006年に米国の学会誌で発表され、晴れて今回の受賞につながった。


■過去のブッ飛びまくった「イグ・ノーベル賞」7選!

 では、過去にイグ・ノーベル賞の栄誉に輝いた研究のうち、筆者が独自選定したとりわけ興味深いものを7つ紹介しよう。選定の基準としては「トカナ的である」こと、つまり内容的に親和性があり、かつユーモアにあふれ、ユニークかどうかも判断材料としている。


第7位:肛門に挿入した異物が取れなくなった事例研究(1995年)

 米国のデイヴィッド・B・ブッシュ氏らが、論文『直腸の異物:事例報告と世界の文献の総説』で文学賞に輝いた。つまり、ある目的で肛門の中に“異物”を入れた末、取れなくなった事例を研究したもので、その中には、ナイフの砥石、懐中電灯、宝石職人用のこぎり、凍ったブタの尻尾などがあった。なぜ「文学賞」なのかは謎だ。


第6位:ジャスムヒーン氏の不食(2000年)

 オーストラリアのジャスムヒーン氏は、「人間は物を食べずに生きていける」ことを自らの体験で実証したとして、その著書『リヴィング・オン・ライト』で文学賞に輝いた。不食主義や呼吸食主義を提唱し、ブロンド美人のブレサリアン(呼吸で生きる人、食べない人)として世界的に活躍している。現在の自然科学では、人間は食物を摂らなければ生きていけないとされるため、この受賞にはイグ・ノーベル賞特有の皮肉的な意味合いが込められているのかもしれない。


第5位:UFOアブダクションは事実(1993年)

 米国のジョン・マック氏らは、「宇宙人に誘拐されたと信じている人々は、おそらく本当に誘拐されたのだろう」という結論に達したことによって、心理学賞を受賞した。また、受賞理由には、特に「アブダクション(誘拐)の焦点は子作りである」という結論に至った点も含まれる。アブダクション事例には、「異星人にレイプされて出産した」と主張する女性がいることは確かだが、選定した科学者たちがその事実を肯定しているかは不明だ。


第4位:ピカソとモネの絵画を見分けられるようにハトを訓練し、成功(1995年)

 慶應義塾大学の渡辺茂氏らは、ハトを訓練した結果、ピカソとモネの絵画作品を見分けることに成功したという研究で心理学賞を受賞した。生物学賞ではなく心理学賞であることが意外だが、たしかにハトの心理を扱った研究ではある(?)のかもしれない。


第3位:真正粘菌にパズルを説く能力があることを発見(2008年)

 北海道大学の中垣俊之氏らは、単細胞生物である真正粘菌(しんせいねんきん)に、なんと“パズルを解く能力”があることを発見したとして認知科学賞を受賞した。真正粘菌とは、移動しつつ微生物などを摂食する動物的性質と、胞子により繁殖するという植物的性質の両方を併せ持つという奇妙な生物だ。中垣氏が真正粘菌を薄いフィルムで作った迷路の中に置いたところ、最短の道を選んでゴールまでたどり着いたという。


第2位:キスでアレルギー反応が低減することを発見(2015年)

 開業医の木俣肇氏らは、激しいキスなど親密な人間相互間の行動が、生物医学的な利益を得ることを実験で示したことに対して医学賞を受賞した。木俣氏は、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎の患者らに、恋人らと30分間キスをしてもらい、その前後でアレルギー反応の強度を検査した。すると、キスの後ではアレルギー反応が弱まったことがわかった。同じ患者らがセックスをしても同様の効果があったという。アレルギー症状は、性的快感によって和らぐのだろうか。


第1位:世界が終わる日を予測・断言し世界に知らしめた(2011年)

 ドロシー・マーティンという預言者らは、「世界が終わる日を予測・断言し、数学的仮定を立てる際には気を付けた方がよいと世界に知らしめた」ことで数学賞を受賞した。マーティン氏は1985年に世界が終わると預言していたが、現実化しなかった。同時受賞者である預言者やキリスト教系の布教者も、それぞれ特定の年(月日)に世界の終わりが来ると予言したが、もちろん現実化しなかった。「数学的仮定を立てる~」という部分には、大いに皮肉がこめられていると考えられる。


■なぜ日本人ばかり受賞するのか? 驚愕の理由

 前述のように日本人がイグ・ノーベル賞を12年連続で受賞していることは驚くべき事態だが、敢えてその理由を挙げるなら、いったいその要因とは何だろうか?

 巷では、「日本はいつ役に立つとも知れない科学の基礎研究にお金をかける余裕があるから」、また「日本人の性格として、受賞を断りにくいという点もあるのではないか」などの声も上がっているようだ。

 ちなみに、イグ・ノーベル賞創設者のマーク・エイブラハムズ氏は、日本人研究者について「好奇心が旺盛で一心不乱に研究に取り組む。まるで自分が興味を向けたこと以外、他の世界がなくなったかのような集中力だ」(読売新聞、2018年8月25日)と好意的に語っているようだが、これが本音かどうかはわからない。


■トカナ読者も目指せ受賞!

 こうしてみると、イグ・ノーベル賞とは、たとえ学者でなくてもユーモアに溢れた研究や製品開発、さらにユニークな生き方や考え方で受賞できる可能性が多々あることがわかる。ノミネートは他薦および自薦の両方で可能なので、トカナ読者もぜひ挑戦してみてほしい。ただし、賞金は1ジンバブエドルで、これは3年前に廃止された通貨であることから実質0円(2017年の賞金は1兆ジンバブエドルだが、もちろん価値はゼロ)。そのうえ、渡航費や宿泊費用などはすべて自腹という、どこかの国で行われるオリンピックのボランティア並みの待遇である。それでも、世界的な注目を集めることだけは間違いないだろう。
(百瀬直也)


※イメージ画像は、「Thinkstock」より

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