「イスラム国」が完全復活中とプーチンが緊急警告「700人が人質に取られた」「毎日10人処刑、要求のまないと続く」

「イスラム国」が完全復活中とプーチンが緊急警告「700人が人質に取られた」「毎日10人処刑、要求のまないと続く」

 一時は消滅もささやかれたIS(イスラム国)が、勢力を盛り返してきているかもしれない……。

 2017年10月、ISの首都として機能してきたシリアのラッカが、反体制派シリア民主軍によって完全制圧され、ISは消滅したものと思われた。しかし、今月、国連が発表した報告書では、イラクとシリアにはまだ3万人余りのIS残党が潜伏していることが明らかになり、世界中に衝撃が走っている。

【その他の画像はコチラ→https://tocana.jp/2018/10/post_18498_entry.html】

 そうしたなか、シンガポール紙「Straits Times」(10月19日付)によると、今月18日にロシア・ソチで開かれた会合に出席したウラジミール・プーチン大統領が、「今月13日ISの兵士らがシリア東部デリゾールの難民キャンプを襲撃、欧米人を含む700人が人質に取られ、デリゾールから110km離れたハジンに連行された」ことを明らかにしたという。プーチン大統領によるとIS側はロシアに対し、“ある要求”をしており、それに従わない場合は1日に10人の人質を殺害すると警告しているそうだ。

「ISは最後通牒を突きつけてきました。ある要求を飲まなければ、毎日10人を処刑すると言っています。一昨日には10人殺されました」(プーチン大統領)

 デリゾールはシリアの石油採掘の中心地であり、ISの資金源の1つだったとされている。ISにとって組織の建て直しのためには、デリゾールは喉から手が出るほど欲しい要所なのだ。ここを狙ってきたということは、ISは本格的に勢力の盛り返しを目論んでいるのかもしれない。いずれにしろ、人質が700人もとられ、毎日10人も殺害される状況は看過できない。特に自国民を人質に取られている米国は真っ先に動くのではないだろうか?

 しかし、米報道官のショーン・ロバートソン氏は、「先週、デリゾール付近でシリア難民に対する攻撃があったことは確認しているが、大量の人質が出たという情報は確認しておらず、プーチン大統領の発言の正確さを疑っている」と発表。ロシアと米国で認識に違いがあるようだ。これは一体どういうことだろうか?
 ここからは推測になるが、次のような可能性があるだろう。

 まず、シリアを巡って、両国は真っ向から対立していることを思い出していただきたい。米国はシリア反体制派であるクルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」を支援しているのに対し、ロシアはアサド政権側を支援している。

 こうした緊張関係のなか、今年2月には、米軍主導の有志連合がシリア政権側の部隊を爆撃した際に、ロシア国籍の民間人も複数人死亡したと報じられた。プーチン大統領のはらわたはさぞ煮えくり返ったことだろう。

 そして、ロシア人の命を奪った米国主導の空爆は今も続いている。たとえば、露紙「スプートニク」(10月19日付)によると、デリゾールでも米国主導の有志連合による空爆が複数回行われ、一般市民の犠牲者まで出ており、13日には同じく米国主導の有志連合が、国際条約で禁止されている白リン弾をハジンで使用したという。

 こうした米国主導の空爆に対し、体制側であるシリア軍は、「米国は罪もない一般市民を攻撃することで、ISを支援している」と怒りを露わにしているそうだ。この怒りはプーチン大統領の怒りでもあるだろう。

 実際に700人の難民がISの人質になったかは分からない。だが、プーチン大統領にとって米国のシリア空爆は「ISへの支援」に等しいことであり、シリア難民を窮地に追いやっている元凶ということだろう。

 まとめよう。今回のプーチン大統領の発言は、「米国主導の有志連合がISを支援しているせいで、難民が殺されている」というアメリカ批判の可能性があるということだ。ただ、あくまで推測に過ぎないことは断っておきたい。

 とはいえ、本当に700人の人質がいるとしたら大問題だ。ただ、問題解決のためにもプーチン大統領には、一刻も早くIS側の要求を具体的に述べてもらう必要があるだろう。
(編集部)


※イメージ画像は、「Wikipedia」より

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