
骨粗鬆症と診断される人が今、日本には1300万人もいると推計されています。骨粗鬆症の治療では、その人の状態や年齢などに応じて適した薬を選択して用います。近年、投与が「年に1回」の点滴で済むという新薬が登場しました。【解説】竹内靖博(虎の門病院内分泌センター長)
解説者のプロフィール

竹内靖博(たけうち・やすひろ)
虎の門病院内分泌センター長。1982年、東京大学医学部卒業。米国国立衛生研究所への留学、東京厚生年金病院内科医長、東京大学医学部腎臓・内分泌科講師などを経て、2004年より現職。日本骨粗鬆症学会認定医・理事。著書に『あなたも名医!もう悩まない!骨粗鬆症診療』(日本医事新報社)などがある。
骨の吸収と形成のバランスがくずれて骨密度が低下する
骨がスカスカになってもろくなり、骨折しやすくなる骨粗鬆症。加齢に伴って増え、国内の推定患者数は1300万人にも上ります。骨粗鬆症が進行すると、荷物を持ち上げた弾みで背骨がつぶれたり、ちょっと尻もちをついただけで足のつけ根の骨が折れたりする危険が高まります。
治療では、骨を強くするために薬を用いますが、従来は薬の飲み忘れや服用方法の煩雑さといった問題がありました。
しかし近年、効き目が長く続いて、「年1回」の投与で済む新薬が登場し、患者にとっては通院や服用の負担が大きく軽減したのです。骨粗鬆症の治療薬について、虎の門病院内分泌センターの竹内靖博先生にお話をうかがいました。