
「愛の不時着」の大ヒットをはじめ、コロナ禍でおうち時間が増えたことで、韓国ドラマを見る人が増えているようです。韓国ドラマを見ていると、やたら多いのがお酒を飲むシーン。緑色の瓶の韓国焼酎をショットグラスで飲む場合もありますが、手に大きめのグラスを持っていて、傍らにビール瓶も並んでいたら、飲んでいるのは間違いなく「爆弾酒」。爆弾酒とは何か、どんなときに飲むのか、ということを知っておくと、シチュエーションや背景が理解できて、よりいっそうドラマを楽しむことができるといいます。韓国の食習慣や風習に詳しいライターの長井朝美さんに、お話を聞きました。
解説者のプロフィール
長井朝美(ながい・あさみ)

1997年から足繁く韓国に通い、短期留学とホームステイをくり返して韓国語を習得。韓国語能力試験6級(最上級)を持つ韓国通ライター。特技は「なんちゃって韓国料理」。仕事の友は高麗人参。
爆弾酒って何?
つまりは「焼酎のビール割り」
「爆弾酒(ポクタンチュ)」とは、ひとことで言うと「焼酎のビール割り」です。韓国語で焼酎は「ソジュ」、ビールは「メッチュ」なので、それぞれの頭の文字をとって「ソメッ」とも呼ばれます。
もともとは、米軍の兵士がウイスキーをビールで割ったのが始まりと言われていますが、韓国の飲食店にはウイスキーを置いている店が少ないので、庶民的で安価な焼酎で広まったようです。
「爆弾酒」の語源については、諸説あります。ビールグラスに、焼酎を入れたショットグラスを(グラスごと)ドボンと落とすことから「爆弾」の名がついたと言う人もいれば、酔いの回りが早くて危険なことから「爆弾」と言う人もいます。実際、かなり早く酔いが回ります。酒豪を自認する人以外はやめておいたほうがよいでしょう。まさに「よい子は真似しないでね」というレベルの危ないお酒です。