ジャスティファイ早すぎる引退 永遠の謎になった米3冠馬の優劣

ジャスティファイ早すぎる引退 永遠の謎になった米3冠馬の優劣
引退が決まった米3冠馬ジャスティファイ(ロイター)

【TPC秋山響の海外競馬解析】7月25日に今年の米3冠馬ジャスティファイ(牡3=父スキャットダディ)の引退が発表された。左前肢の球節を傷めたもので、秋のキャンペーンに間に合わない、というのが引退の理由だった。

 すでに米国競馬における最高のタイトルである米3冠を獲得したジャスティファイにとって、狙うべきタイトルは秋のGI・BCクラシックだけ。しかも早世した父スキャットダディの後継種牡馬として非常に大きな期待が寄せられていることを考えれば、来年も現役を続行するという選択肢は3冠達成時点で消えていたはず。今年のBCクラシックに間に合わないと分かった時点で引退となるのは当然の帰結ではある。

 ただ、もう少しその走りを見てみたかったというのは筆者の偽らざる本音。

 このコラムでは以前、ベルモントSにおけるラップやメンバー構成を比較して、3年前の米3冠馬アメリカンファラオのほうが優れているのではないかという判断を下したが、それはあくまで米国競馬においては超のつく長距離戦と言える12ハロンのGIベルモントSにおける評価だった。

 チャンピオンディスタンスである10ハロンにおける両者の総合的な評価はGIケンタッキーダービーやGIプリークネスSが道悪だったこともあり、秋のBCクラシックまで保留としていたのだが、結局その判断は難しくなってしまった。

 ただ、ジャスティファイの最大の長所は約580キロというパワフルな馬体から繰り出される抜群のスピードで、デビューから3戦、特にGI・2勝馬ボルトドーロを相手に3馬身差で快勝した4月のGIサンタアニタダービー(ダート9ハロン)の勝ちっぷりは非常に印象的なものだった。ベルモントSは適性外の距離だったにもかかわらず、スピードで距離を克服したと考えたいところではある。

 判断材料に乏しく、アメリカンファラオとの比較は永遠の謎となってしまったが、少なくとも中距離におけるスピード能力は勝るとも劣らないものがあったのではないだろうか。

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