
今季限りで引退を表明した中日・浅尾拓也投手(33)の今後はどうなるのか。西山球団代表は「本人の考え次第ですが何らかの形で球団に残ってほしい。球団に力を貸してほしい」と話しており投手コーチ就任を要請すると見られる。
ただ周囲からは「まだ若い。コーチなんていつでもできる。それよりも別のことをやったほうがいいんじゃないか」との声も出ている。そんな中、ある球団首脳は「浅尾にはぜひスカウトをやってほしい」と訴える。「スカウトはいわば裏方。プロの世界だけじゃなくアマチュアの世界を知ることはスター選手の浅尾にとってすごく勉強になると思う。自分で見つけて選手をプロに送り出してその後、コーチになればよりいい指導もできるしね」という。
もちろん浅尾の知名度や人気も球団に大きなプラスとなるとの計算もある。現役最終登板となった29日の阪神戦(ナゴヤドーム)はCS進出が絶望的となった消化試合にもかかわらず、3万6268人の観客が詰め掛ける大入りとなり、その人気を再認識させた。「あの浅尾から声を掛けられたら本人はもちろんチームの監督、両親だってぜひ中日に行かせたいってなるだろう」というわけだ。
かつて中日は監督、GMを務めた落合博満氏の秘密主義、不気味、年俸大幅ダウンといった負のイメージからアマ選手の間で「中日を除いた11球団OK」とやゆされたことも。そんな暗いイメージも「浅尾がスカウトになったら変わる」と期待されている。
球界を席巻したさわやかイケメン浅尾。スーパーセットアッパーが果たしてどんな第2の人生を歩むのか。興味は尽きない。