世界遺産登録の“賞味期限切れ”…動き出した軍艦島「再生計画」

 そうした中で8月半ば、写真家や映像作家などのアーティストら20人余りが、あるプロジェクトのために軍艦島に上陸していた。中心人物は、世界遺産化の動きが出る前から軍艦島の“普及活動”をしていた音楽家で軍艦島伝道師の黒沢永紀氏。狙いは「軍艦島の価値の再構築」による集客。

 つまり「これまでは産業遺産の軍艦島そのものを伝えるものが多かった。そろそろアーティストの目や感性を通して作品になり、それを見た人が軍艦島に行きたいと思う形があっていい」。

 例えば絵や写真作品、史実を元にした小説・映画づくり。さらに「ライブをやって映像作品にする。ドローンを使った空撮大会、上陸して皆で俳句・川柳を詠むのもいい」。過去を見れば、葛飾北斎富士山の絵を見て世界中の人が富士山を知り、憧れた。松尾芭蕉の俳句の世界を感じたくて松島に行く人もいる。ライブが行われた“聖地”にファンが集まる――。軍艦島をそういう対象にしようというわけだ。

「アーティストが新しい価値を与えてくれ、産業遺産に興味がない人も行きたくなる。島以外の場所で軍艦島を感じられる。そんな広がりを与えてくれるものを期待しています」

 黒沢氏はさらに別のアプローチも用意している。同じ長崎県内にある九州最後の炭鉱「池島炭鉱」を活用するものだ。池島炭鉱には、軍艦島で既に失われた炭鉱施設が全て残り「その光景は軍艦島よりもフォトジェニックとも言えます」。

 黒沢氏は軍艦島(周遊)と池島を1日で巡れるツアーを企画し、自らガイドも務めている。両方を見ることで魅力を再発見するのが目的だ。

 国内には世界遺産に登録したものの、落ち込んだ観光客数を取り戻せない場所もある。軍艦島はどうなるか――。

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