
巨人リリーフ陣が怒りの総決起だ。1度目の契約更改交渉で態度を保留していた田原誠次投手(29)が4日、現状維持の3600万円でサインした。ただ黙って判を押したわけではなく、今回も引き続き球団側に強く訴えたのはブルペンの環境改善。右腕の勇気ある行動には、あのレジェンドも同調した。
2度目の交渉で合意に達したが、田原は「金額面で保留したのではない」と強調した。伝えたかったのはリリーフ陣の窮状だ。「3年連続でブルペンの環境改善を訴えてきて、変わらず毎年のように『今年は良くなるから』っていうことしか言われなくて…。今回は保留することにより、少しでも多くの人に『僕らはこんなひどい環境で野球をやっているんだよ』というのを知ってほしかった」。穏やかな口調ながら、しっかりと声を発した。
具体的にはどんな状況だったのか。「100%で行きたいにもかかわらず、50~60%の状態で行かされるっていうのがほぼほぼ。そろそろ自分だから準備しようかなと思ったら『まだ(肩を)つくらなくていいよ』と。『じゃあ、待機しておきます』と言ったら、『やっぱり、ここから行くよ』ってなる場面が多々あった。何も言われていない状態で急に行かされることも。シーズン序盤から『去年よりひどいな』っていう感じで(リリーフ陣の)みんな多分、捉えていた」
今季の田原は29登板で2勝0敗、防御率2.56。ただ3位に終わった今季は接戦に競り負ける展開が続き、ブルペン陣全体の乱調がV逸の主要因としてやり玉に挙がった。右腕が主張したかったのは、問題が選手だけではなく、首脳陣の起用法にもあったのではという点。球団側は「(前回交渉後に契約更改したリリーフ投手の)100%がそういうふうに言っていた」と理解を示したという。