知らぬ間に知人に恨まれる災難 加害者が怒り発散「墓荒らし」の動機

       

 友達と思っていた相手が、笑顔の裏で自分の家の墓を荒らしていた…。テクノロジーが進化しても、人の恨みの発露はアナログである。知人の墓を荒らして遺骨をばらまいたとして、富山県警富山南署は7日、墳墓発掘遺骨遺棄などの疑いで富山市の無職谷井登容疑者(68)=別の器物損壊罪で起訴=を再逮捕した。

 2017年11月から昨年12月、70代の知人男性A氏が管理する墓の中から骨壷を取り出して遺骨を周囲にばらまいたほか、墓石や供物台をハンマーで壊した疑い。「日頃の付き合いから、恨みを抱いていた」と容疑を認めている。

 昨年12月10日に逮捕された別の器物損壊事件の捜査から明らかとなった。同年11月17~19日に知人の70代男性B氏の自宅敷地内の自動車2台をパンクさせたとして、すでに起訴されている。B氏に対しても、事件直前に交わした会話から不満をため込んだという。

 不思議なのは、これほど強い恨みを向けられた被害者らには心当たりがないことだ。容疑者が谷井被告だと知ったA氏は「なんで! 気に入らないことなんてあったのか?」と驚いたという。B氏も「そういえば、そんなことがあったかなあ」とやっと見当がつくほどで、加害者側だけが怒りをフツフツとためていたのだ。エジプトの墓荒らしを思わせるような「墳墓発掘遺骨遺棄事件」の発生は、平成に入ってから富山県内で初めて。「神聖なものを傷つけるのだから非常に悪質。遺骨をぞんざいに扱われたA氏も強い処罰感情を持つ」(同署)

 似た事件としては12年、徳島県のケースがある。好意を持つ女性から全く相手にされなかった20代の男が、女性の一族の墓から遺骨を盗んで、女性が住む家にばらまいた。だが、この事件は被害者としても動機が分かりやすい。同署は谷井被告の内面について「精神病理は認められないが、思い込みの激しいところがありそう。納得のいく動機を調べる」としている。

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