【思い出の重賞レース=2012(平成24)年「葵S」】勝ち馬は祖母ブゼンキャンドルの意外性受け継いだマコトナワラタナ

 重賞へと格上げされてまだ2年目だが、オープン時代には2010年2着カレンチャン、11年1着ロードカナロアと、のちの最優秀短距離馬を2年連続で輩出。古くはカルストンライトオ(01年)もここを制し、スプリンターズS覇者へと成長した。その地味な立ち位置から軽視されがちではあるが、実はトップスプリンターへの登竜門と筆者は認識している。

 そんな筆者にとって忘れられないのが12年。前出のカレンチャンが11年最優秀短距離馬に輝いたあと、返す刀で高松宮記念も制した、まさにその年のレースだ。高松宮記念で3着に敗れたロードカナロアにしても、本番まで5連勝で駒を進め1番人気に推されていた。要は、一気に葵Sの存在価値が押し上げられた年である。

 そんな将来を嘱望された12年の勝ち馬が、マコトナワラタナ。ちなみに1番人気は“旋回癖”で名をはせることになる、あのハクサンムーン(9着)である。

 マコトナワラタナは前走の橘S(京都芝外1400メートル)でやや力むようなしぐさを見せていたが、距離短縮により折り合いがスムーズに。最後は上がり3ハロン33秒4の剛脚で、他馬を一掃した。当時を振り返り、ナワラタナの稽古役を務めていた野田助手はこう語る。

「勝つときはホント鮮やかでしたよね。レースへ行くとグッと闘志を燃やすんですが、普段は本当にかわいい子でしたね。それこそ、ペットとして飼いたいぐらい。本当にかわいくて、扱いやすい馬でしたよ。懐かしいっすね」


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