愛息の疑惑には、苦し紛れに「もし、パオロが本当に麻薬事犯であるなら、警官隊に射殺させる」とキレてみせた。そのパオロ氏はダバオ市の公式フェイスブック上で、美人な愛娘イザベルさん(19)と家庭問題から親子ゲンカする醜態をさらしたことでも知られる。
そして次男セバスチャン氏(31)は、タレントから転身し、ダバオ市副市長に当選した。
「なかなかの甘いマスクで女性人気も高い。サーファー、ロックミュージシャンでもあり、フェイスブックとインスタグラムで計100万人近いフォロワーを持つインフルエンサー。ただ政治的手腕は全く未知数で、単なる遊び人という声もある。ちなみに彼も、いかついタトゥーを胸や両腕に入れている」(前出記者)
大の家族思いで知られるドゥテルテ氏だが、さすがに「身内びいきもやりすぎ」という意見もある。一家による不正蓄財の噂も絶えない。ただ大統領本人の国民的人気の前には、こうした批判もどこ吹く風だ。(室橋裕和)
☆むろはし・ひろかず 1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め、2014年に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。最新著書は「おとなの青春旅行」(講談社現代新書)。