そう、今夏の木村厩舎は“第2形態”に突入。そのチャレンジの一端が垣間見えたのが、日曜(9日)東京芝1800メートルでレーンをパートナーに初陣を迎えるゴルコンダ(牡=父ヴィクトワールピサ、母ゴレラ)の1週前追い切りだ。
前日夜からの降雨で南ウッドは水分をたっぷり含んだ重たい馬場。普通は4~5ハロンからしまい重点に時計をまとめる調教になるところだが、マーメイドSに出走するフローレスマジックを6ハロンから追走するハードな攻め。直線でもビッシリと追われ、併入に持ち込ませた。
「ヘコたれてもいいからと思って、あえて挑ませたんだけど、最後までしっかりと走り切れていた。1週前とすれば合格点だし、このひと追いでさらに上がってくると思う。半兄のプルガステルがそうだったように、この血統は競馬を使った後のテンションがテーマになる。そのあたりは経験が生かせる」と手応えを得ている。
一方でグランアレグリアの全弟ブルトガング、ブラストワンピースの半妹ホウオウピースフルなど、良血がスタンバイしている当開催最終週(22日)の芝1800メートルにも、木村厩舎はクローストゥミー(牡=父リアルインパクト、母マチカネチコウヨレ)を出走させる。これもまた大きなチャレンジだ。
「落ち着きがあって、フットワークの質も高く、好きなタイプ。3月の時点では少し調整が遅れていたけど、5月に入って一気に上がってきた。この産駒はいいと思うよ」
ちなみに「この産駒はいいと思うよ」というフレーズは、ロードカナロア産駒のトップバッターを飾ったステルヴィオのデビュー前と全く一緒。リアルインパクトはこの夏、ぜひ注目してほしい新種牡馬だ。