「咳止めシロップ」密売の危険な実態

 風邪薬用の咳止めシロップが高校生を中心に若者の間で危険ドラッグ的に乱用され、中毒者が急増しているという。

 警察関係者は「東京都内で咳止めシロップを買い占めて、別の瓶に詰め替えて“麻薬ドリンク”として転売した高校生が補導されている。覚醒剤や大麻などの指定麻薬ではないので、厳しい取り締まりができない。頭を抱えてますよ」と説明する。

 市販されている咳止めシロップの一部には、覚醒剤の原料になるエフェドリンや、一部に麻薬の成分もあるリン酸ジヒドロコデイン、興奮作用を持つカフェインなどが含まれている。

 ある内科医は「この成分は咳や頭痛を抑える一方で、飲みすぎると眠気や疲労感がなくなり、多幸感や頭が冴えたような感覚などの覚醒作用がある。問題になっているのは甘味料を加え、飲みやすくしている市販の咳止め薬。リン酸ジヒドロコデインを含んでいるものもあり、乱用して依存症になるケースがある。中毒になった場合、中毒性の内臓疾患で長期入院を余儀なくされます」と注意を呼びかける。

 市販の咳止めシロップの場合、成人なら一回の用量は10ミリリットル前後が一般的。100ミリリットル以上入った瓶ごと飲めば、危険なのは明白だ。金に困った麻薬常用者が覚醒剤代わりに使用しているケースもあるという。

「中国では4~5年前から、咳止めシロップによる中毒者が急増した。手に入れるために強盗などの犯罪が多発し、深刻な社会問題になっています」(事情通)

 日本でも、そうなりかねない。「繁華街では咳止めシロップを“麻薬ドリンク”として密売する売人もいる。4月にはJR吉祥寺駅の男性用トイレに咳止め薬の瓶が大量に散乱している様子がSNSにアップされた。水面下で広がっている表れ」(前出の警察関係者)

 咳止めシロップは市販薬で野放し状態。厚生労働省などは対策を迫られそうだ。

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