【夏の甲子園】達川光男氏が受けてみたい投手は最速125キロ「スピード競争ではない」

【夏の甲子園】達川光男氏が受けてみたい投手は最速125キロ「スピード競争ではない」
奥川と握手する達川氏

 履正社(大阪)の初優勝で幕を下ろした第101回全国高校野球選手権大会。22日の決勝戦(甲子園)で始球式を務めた元広島監督の達川光男氏(64=第55回大会広島商で優勝)が、全国の球児に向けて「高校野球の原点」を説いた。

 達川氏は2016年2月に学生野球資格を回復。昨季限りでソフトバンクのヘッドコーチを退任すると、母校を中心に広陵、広島新庄などで無償の臨時コーチを務めている。

 この日、始球式の大役を終えた後、達川氏は“伝道師”として、全国の球児にメッセージを残した。「いま高校球児で最も受けてみたい投手」。そう問われた達川氏は「広商の倉本です」と即答した。後輩がかわいいからではない。「(倉本の球速は)125キロでね。奥川みたいに154キロ出なくても、高校野球はスピードを争う競技ではないんだよと。緩い球でもいかに相手を打ち取るか。いかに抑えるかということ。奥川みたいなすごい才能を持った選手もいるし、スピードが出ない選手もいる。今年、甲子園に出られなかったいろんな学校の選手がいるけど、変化球やコントロールを磨くとか、なんかの方法で相手を打ち取るというね。倉本はフォークボールだけはプロでも通用するかなというくらい磨きました。昔よく言った『ハエが止まる』という感じでバッターにスーッといって面白いように空振りを奪う。まあ、そういうことです」

 ひと昔前、140キロを超えれば騒がれた球児の球速は年々上がり、この夏、令和の怪物・佐々木朗希(大船渡)は最速163キロをマークした。飛び抜けた才能がなくても知恵を絞り、技を磨き、強者を負かすことはできる。高校野球の醍醐味だ。101回を数え“新世紀”に突入した高校野球。投球制限など変革期を迎える中、達川氏は「原点」に目を向け、技術の向上を願った。

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