広島・長野 「併殺王」の科学的理由

広島・長野 「併殺王」の科学的理由
殊勲の堂林(中奥)に抱きつく長野

 秋チョーノが全開だ。広島は12日、中日に3―2でサヨナラ勝ちを収め、2位・DeNAにゲーム差なしの勝率2毛差に迫った。堂林のサヨナラ打で決まった劇的な一戦に花を添えたのは、長野久義外野手(34)。呼び水となる先制の今季4号ソロで好調ぶりを示したが、一方でファンの間ではある不名誉な数字でも注目されている。

 試合後の長野は「僕のことはどうでもいいんですって。(堂林)翔太、ナイスヒット!」と後輩を持ち上げてさわやかに球場を後にしたが、8月下旬に再昇格後はうっぷんを晴らすように打ちまくり、全試合先発出場の今月は36打数12安打で打率3割3分3厘、2本塁打、7打点。だが…。一部で指摘されているのが「併殺打の多さ」だ。打席数はレギュラー陣の3分の1ほどにもかかわらず10併殺は堂々のチームトップを走っている。

 熱心なファンからは、勝負強さを見せる一方で同じく併殺打も多かったOBの新井貴浩氏に姿を重ねる声も多く聞かれる。まだ34歳ながら「長野さん」と“さん”付けの呼称が鯉党に定着しつつあるのも“新井さん”からの流れなのだろう。

 ただ長野の併殺打の多さには“科学的理由”もある。昨シーズン中、古巣巨人の関係者がこう話していた。

「トラックマン(弾道測定器)を導入してみて驚いたのが、チョーさん(長野)の打球速度。本塁打になる可能性が高まるとされる150キロ以上の打球割合が、一流スラッガー並みに高いんですよ。だから本人には『もう少し角度をつけたら本塁打が増えるよ』って助言しているんですけどね」

 しかし、長野の打撃理論は「球は上から叩けば安打になる確率が高くなる」という“逆フライボール革命”。一塁到達タイムは決して遅い部類ではないのだが、球足が速いゴロを意識的に打とうとするため、併殺打を量産してしまう負の側面もあるのだ。

 13日からは東京ドームに乗り込んでの巨人戦では2戦とも先発出場が確実。両軍ファン大注目の対決で見られるのは、V一直線の古巣にブレーキをかける一打か、それともお約束のゲッツーか。“長野さん”の打席から目が離せない。

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